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滋賀県の琵琶湖の東岸の街である近江八幡市は水郷や八幡山城跡、また商家が立ち並ぶ重要伝統的建物群保存地区、そして近江牛の産地としても良く知られ、観光客が絶えないところである。
今回はそのJR近江八幡駅で途中下車し、近江八幡市の南に隣接する竜王町を訪ねてみることにした。
バスは近江八幡の市街地を抜け、南へと進む。
そして日野川を渡ると竜王町である。
概ね田園地帯であり、その平野部はかなり広い。
「綾戸北」バス停で下車、5分位歩いて、小学校の向こうの目的の場所へ向かう。
国宝の本殿を有する式内社で知られる神社である。
この神社は、道路を挟んで東本宮と西本宮に分かれている。
東本宮は「長寸(なむら)神社」と云い、まずはこちらからお参りする。
中央に本殿、左側に摂社の佐々貴社、右側に天神社である。
また神社の杜には、多くの古墳があったと云われている。
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東本宮を後に向かいの西本宮へと向かう。
創建当初は祖霊を祀る神社で「長寸神社」と称し、延喜式にもその社名が記載されている式内社であったが、11世紀の初めに朝廷に門松用の松苗を献上したことから、後一条天皇より「苗村」の称号を賜り、以降、苗村神社と称するようになったとされている。
参道を進むと重要文化財の見事な茅葺の楼門が建っている。
境内には、これも重要文化財の神輿庫が建つ。
両社とも室町時代の建立で、重要文化財である。
そして中央には本殿である。
鎌倉時代の建立で、国宝である。
その祭神は、那牟羅(なむら)彦神、那牟羅姫神、そして国狭槌命(くにのさづちのみこと)である。
元々は楼門に祀られていたとのことで、これも重要文化財である。
そして田園地帯の中心地にある神社で、鬱蒼とした雰囲気はないが、神々しさを感じる神社である。
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丁度昼食時であったので、食事処を探してみた。
幸いなことに、神社の東南に一軒だけ、整った店があった。
「リバティ」と読むのであろう。外国の雰囲気がする名付けである。
中はほぼ満席状態である。
何とかカウンターの片隅に席が空いていた。
さて、注文である。
名物は、カルビスタミナ丼とのことであったが、牛肉の雰囲気ではなかったので、おとなしい「エビカツ定食」をお願いした。
待つこと10分ぐらいか、満席状態なので仕方のないことである。
タルタルが掛かった柔らかいカツである。