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近鉄吉野線は橿原神宮前から南へと向かい、終点の吉野神宮へと向かう路線である。
橿原神宮前を出ると、「岡寺」、「飛鳥」、「壺阪山」と、名所豊富な橿原市、明日香村、高取町を通り抜ける線区である。
今回は飛鳥駅で下車し、観光明日香の西部を探索することにした。
この道を少し北上すると、右手に欽明天皇陵の参道入り口がある。
右横へと回り込んで、前方部の周濠を眺めてみるが、拝所の先に土橋が架けられ周濠は半分しか見えない。
周濠に沿って古墳の周りを歩いてみる。
前方部と後円部の接合点あたりに造り出しがあり、その周辺で白鷺が優美な姿を見せているのが特徴的である。
尚、造り出しの機能については諸説あるが、祭祀の場所であったのではないかと云う説が有力である。
後円部にも土橋が架けられていて、周濠が分割されている。
そして北側の周濠は空堀となっている。
後円部の外堤には、季節柄さくらの花が綺麗である。
先ほど駅前で見た案内図によると、見学ポイントである鬼の俎(まないた)・鬼の雪隠(せっちん、トイレ)がある筈である。
右下に鬼の雪隠、その上の林の中に鬼の俎がありそうである。
遠目には見えていたが、近づいてみるとやはり雪隠であった。
2mも無い角型の内部が削られた石で、古墳の蓋石とのことである。
俎は古墳の底石とのことである。
元々は一体ものであったと考えられるが、土盛りも無くなり、何らかの自然現象で分離したものと考えられる。
そして、この古墳は、欽明天皇陵の陪塚(ばいちょう)とされている。
2
古代の探索はここで終了し、元の飛鳥駅へと戻る方向である。
途中で北側に欽明天皇陵の全景が見える。(右が後円部)
飛鳥駅まで戻った。
丁度昼時である。
昼食処を探してみよう。
駅のロータリーの外郭にお好み焼きのような店、麺類のような店があった。
店の名は「与左衛門」と云う。
この店の店頭メニューを見てみると、「特大きつねうどん」と云うのがあった。
恐らくは揚げが大きいのであろう。しかしどれくらいの大きさであるのか、想像がつかない。
とりあえず入ってみて、体感してみよう。
店の中には待ち客がいた。
しばらく並んでいると、カウンターが空いたので、落ち着くことができた。
さて、注文である。
ここは迷うことなく「特大きつねうどん」である。
料理が出るまでには10分以上なのか、かなりの時間が掛かった。
揚げの大きさを見てびっくりした。
麺鉢の長面が揚げで覆われている。
このような体裁のきつねうどんは初めてである。
さあ、頂いてみよう。
先ずは揚げ、結構厚い。
噛みちぎりながら頂くばかりである。
うどん麺、柔らかい関西風の麺である。
そして出汁、これも関西風で、旨い出汁である。
しかし、揚げのボリュームには閉口した。
うどんと云うより、揚げ料理を食べている感じである。
こんな料理もあるんだ、と感慨を新たにし、駅へと戻ったのであった。