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大阪市地下鉄の本町駅で途中下車した。
本町駅は地下鉄の御堂筋線、中央線、四つ橋線の3本の路線が交差する駅で、大阪のビジネス街の中心となる駅である。
 この本町駅のすぐ近くに、全国一之宮にリストアップされる摂津国一之宮「坐摩神社」が鎮座している。
読み方の難しい神社で「いかすり神社」が正式であるが、「ざま神社」と呼ばれる場合が多い。
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また、神社境内には大阪神社庁も設けられている中心神社でもある。

 この坐摩神社は、御堂筋の一本西の道に東向きで鳥居が建っている。
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 鳥居を潜ると広い境内の正面に拝殿が祀られている。
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 そしてその先が本殿である。
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 本殿の祭神は、坐摩大神(いかすりのおおかみ)で、生井神(いくいのかみ)、福井神(さくいのかみ)、
綱長井神(つながいのかみ)、阿須波神(あすはのかみ)、波比岐神(はひきのかみ)の5柱の神々を総称である。
 坐摩神社の創建は、神功皇后の三韓征伐からの帰還した折りとされる。
その地は現在の天満橋辺りの石町(こくまち)と云われ、現在は行宮として祀られているところである。
 神功皇后は、身ごもっている応神天皇の安産を祈願したと云われ、現在も安産のご利益があるとされている。
 一之宮以外に、延喜式にも式内大社として記載されている神社である。
 境内には、「上方落語寄席発祥の地」の石碑が建てられている。
初代桂文治の名が記され、大坂坐摩太夫とされている。
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 また、神社の裏参道正面に陶器神社が付近の陶器問屋の守護神として祀られている。
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この神社、灯篭や額などが陶器で作製されているのが珍しい。

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 坐摩神社と御堂筋との間に、通称「南御堂」の大寺院がある。
「真宗大谷派難波別院」である。
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 現在、入り口にあった御堂会館等が建て替え工事中であるので、横から入ることになる。
 別院本堂は大きなお堂である。
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現在京都にある東本願寺はもとこの場所にあったが、移転した後に難波別院が建てられたと云われている。

 境内の庭園の中に、松尾芭蕉の句碑が建っている。
「旅に病で 夢は枯野を かけまはる」という終焉の句である。
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 芭蕉は元禄7年に、この南御堂の直ぐ前で花屋を商っていた「花屋仁左衛門」の屋敷で51歳の生涯を閉じたとされている。
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 本町駅付近の探索は終了であるが、この本町駅と東隣りの堺筋本町駅の間の高架の阪神高速道の下に長いビルが建てられている。
「船場センタービル」と云い、10号館から1号館までの長いビルである。
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 このセンタービルの中を歩いて堺筋本町へ向かうことにした。
船場は難波の商売の中心地であり、現在もこのビルの中で繊維問屋街をメインとしたショッピングでができるところとなっている。
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地下二階は食堂街となっていて、各種の飲食店が並んでいるところである。

 ある程度歩いたところで、ネーミングが面白い食べ物の店が見つかった。
「うまいそば」という料理名である。
 その店の名は「DMそば」、早速入ってみることにした。
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 昼時であったが、広い店の中は2割程度の客で空いていた。
早速、表でみた「うまいそば」と注文し、暫く待つことになった。
 5分もしないうちにそばが出てきた。
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 丼の中に刻み海苔、刻み葱、かまぼこがトッピングされた盛りそばと、つけ汁の一式である。
いわゆるつけ麺で、つけ汁には生卵と天かすのようなものが浮かべられている。
 さあ頂いてみよう。
 そば麺は、少々太いが比較的柔らかく食べやすい蕎麦である。
つけ汁は出汁がよく効いて、少しの甘さもある。
旨味が工夫されているような味わいである。
 なるほど、これが「うまいそば」なのであろう。
普通の天ざるや盛りそばでは、出汁と醤油の比較的辛口の味となるが、これはそうではない。
旨味重視のそばである。
 最後に、蕎麦湯をつけ汁の器に入れ、薄めて頂き、完食となったのであった。
 そして店を後に、堺筋本町駅へと向かったのであった。