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 大阪府の北河内地域に寝屋川(ねやがわ)という市がある。
市内を一級河川の寝屋川が流れていることに由来する市名であるが、その川の名付けは鎌倉時代、この川の源流付近に長者の藤原実高の別荘があり、高野街道を行く旅人に宿すなわち寝屋を提供していたことに由来している。
 この寝屋川市域の東端は交野(かたの)市と四條畷(しじょうなわて)市に挟まれた丘であり、山のない寝屋川市の最高所で約110mとなっていて、そこに古代の古墳の石室が残っているとのことで、出掛けてみた。
 下車駅はJRの愛称学研都市線の片町線の東寝屋川駅である。
駅周辺は大阪の近郊であるとのことからベッドタウンとなっていて、高層を含み多くの住宅が建っている。
駅から東に団地の中を歩きながら登ってゆくと徐々に見晴らしが良くなり、高良神社という所に到着する。
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 武内宿禰(たけのうちのすくね)を祀る神社で、この地区の氏神である。
 神名は川原社から転訛したという説もある。
お参りを済ませ、神社境内横の古墳参道へと向かう。
石柱には石宝殿と彫られている。
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 山を斜めに登るように進む。
しばらく行くと、石の宝殿が現れる。
全体に車一台にも満たない小さなものである。
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 この古墳は7世紀の中頃の古墳時代終末期のものだそうで、内部の石室は1m程度の空洞である。イメージ 4
小さいのは、この時代には既に火葬になっていたということを物語るものだそうで、被葬者はこの辺りを支配した豪族であろうが、特定はできないとのことである。
 古墳石室を横から眺めてみると、どこか奈良の飛鳥の石舞台古墳に似ているが、そのあちらの方が断然大きい。
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 古墳見学した後は、違うルートでとのことで、裏の交野市に行く道を辿ってみる。
竹藪の横を暫らく行くと、マンションの横を通る道となり、児童公園を横切ると車道に出る。
この辺りは、交野市の星田西という地区名である。
マンションと戸建て住宅が並ぶ住宅街を下って行く。
 暫らく下ると大きなゴルフ練習場に出る。
看板を見ていると、その練習場の中にうどん屋があるようである。
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丁度昼時だったので、その練習場のクラブハウスに行ってみた。

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 割と広い4~50人は入れそうな店である。
店名を「NU」という。
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席についてメニューを見てみた。
このような時は、何か変わった料理がないか探すのが癖となっている。

 あった、「茶美豚ハリハリうどん」と云うのがあった。
写真では、水菜がトッピングされている。
ハリハリ鍋と云うのはよく聞くが、うどんは聞いたことがない。
早速これを注文した。
 10分ぐらい待って、やっと出てきた。
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 目的のうどんの傍に、練られた「柚子胡椒」が小皿で添えられている。
うどん麺はかなりの細うどんである。ラーメンの中細ぐらいであろうか。
そのうどん麺の上にはスライスされた豚肉が周囲に散りばめられている。
そして中央に水菜が乗せられている。
 柚子胡椒を入れ、さて頂いてみよう。
 先ずは出汁、色の薄さに反して濃厚である。
昆布と鰹節がよく効いている。
 次は麺、ラーメンを食べているような感触であるが、麺に水菜を絡めると、硬軟取り混ぜた食感で美味い。
 次に豚肉、予め煮たりして若干の火通しがされていると思うが、その煮出汁の味はない。
その結果、ブランドであろう茶美豚(ちゃーみーとん)の臭さのないすっきりした味わいで、美味いものであった。
 麺と水菜それに豚肉を絡めて食べると、とてもうどんとは思えない、和食離れした料理であるかと思う味である。
最後まで美味しく頂き、帰りに接客嬢に「大変おいしかったです」と云って店を出たのであった。
 後で調べてみるとこの豚は鹿児島産で、大麦に緑茶粉末とサツマイモを混ぜた飼料で最後の仕上げをしているとのことである。
 緑茶のカテキン効果で抗酸化や消臭の豚肉が得られ、そしてイノシン酸やビタミンEの多い豚肉となっているとのことである。
 ゴルフ練習場を後に、元の駅に戻る方向に歩く。
このあたりは東高野街道が通っていて、昔の道路を示す石柱なども建っている。
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 尚、石柱横のお姫様の像は、鉢かづき姫といい、このあたりを舞台にした御伽草子の主人公で、冒頭の寝屋の長者の藤原実高の娘とのことである。