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 京都駅から出ているJR奈良線の駅に「六地蔵駅」がある。
この駅の名付けには、この近くに「京の六地蔵めぐり」の一つで古刹の「大善寺」が由来している。
また六地蔵駅には、JRの他に京都市営地下鉄、京阪電車宇治線も同名の駅を設置していて、それぞれの乗換駅となっている。

 場所は京都府宇治市の最北部で、JR駅と地下鉄駅は宇治市内であるが、京阪駅は京都市伏見区にある。

六地蔵駅でJR電車から下車した。
丁度昼時なので食事処を探すことになるが、駅から正面の道路に出たところ直ぐにラーメン屋を見つけた。
「ラーメン TJ」と壁に大きく書かれている。

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但馬といえば兵庫県の北部である。
その土地のラーメンなのかと思い早速入ってみた。

 昼時なのか人気があるのかはわからないが、店は一杯であった。
少し待たされて、相席へと案内されたのであった。
店内は昭和レトロ風の店で、テーブルばかりの大衆食堂風である。
 メニューを眺め、スペシャル(並)ラーメンを注文した。
先客から順番に料理が出てくるので時間はそれなりに掛かる。
 やっとのことでラーメンが出てきたのが15分位の後であった。
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麺鉢は少し大きめ、中身も結構な量である。
見た感じは普通の京都ラーメンである。
何がスペシャルなのかは分からないが、チャーシュー4枚なのであろうか?
他に、少々のメンマ、そして刻み葱が結構乗せられている。

 さあ頂いてみよう。
スープは鶏がらベースの醤油味で、あっさり味である。
麺は中太のストレート麺でスープとの絡みも良い。
チャーシューは柔らかいというよりは、少ししっかりとしている。
 麺、スープ、具と順繰りで食べたのであったが、やはり結構な量である。
次に来た時には、ミニラーメンにしようと思いながら、完食したのであった。
 しかしながら、但馬のご当地ラーメンですか?と聞いてみたが、TJとは、単なる屋号だそうで、少しガッカリであったが、久々に京都ラーメンを食べた満足感で店を後にしたのであった。
 折角、山科の外れまで来たので、京都市内に向けて地下鉄に乗ってみよう。
地下鉄駅での途中下車を目論見ながら、地下駅まで降り、電車に乗ったのであった。
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 六地蔵から京都に向かっての次の駅は「石田(いしだ)」という。
地上へ上がって、5分ぐらい歩くと「石田(いわた)の杜」がある。
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この辺りは、万葉集に詠われたところで、奈良から大津へ抜ける古代からの街道であった所である。
また、その入り口に「天穂日命(あめのほひのみこと)神社」の石柱も建っている。
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その参道を進むと入口の石の鳥居に到着する。

 そしてそこが神社の杜の石田の杜である。
鳥居の横に万葉歌碑が建っている。
歌碑には「山科の 石田の小野の 柞(ははそ)原 見つつや君が 山道越ゆらむ 宇合卿 」と彫られている。
藤原不比等の子の藤原宇合(うまかい)である。
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 神社境内を行くと左手に拝殿が祀られている。
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 また向かい合わせで本殿が祀られている。
本殿の本体は覆屋に囲まれているので、見ることはできない。
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 祭神は天穗日命と相殿に天照大神、大山咋命(おおやまくいのみこと)である。
創建は定かではないが、天武天皇の時代との説が有力である。
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 再び地下鉄に乗り、今度は椥辻(なぎつじ)という駅で下車する。
駅から西へと歩き、山科川を渡って少し行くと右手の住宅街の中に「折り紙付き」という言葉が生まれたといわれる「折上(おりがみ)稲荷神社」が鎮座する。
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 この折上神社は、今から1500年前、境内の稲荷塚に稲荷神が降下したのが始まりと伝えられている。
それは伏見稲荷と同時期で、共に最古の稲荷神と云われている。
そして伏見稲荷と折上神社の聖地同士が一直線上で結ばれていて、折上神社は伏見稲荷の奥の宮とも云われている。

 鳥居の先の正面に拝殿が祀られている。

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そしてその背後に本殿が祀られている。

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 拝殿本殿の主祭神は倉稲魂神 (うかのみたまのかみ) 、保食神 (うけもちのかみ) 、稚産霊神 (わくむすびのかみ) の三稲荷神である。
 「折り紙付き」の由来は、江戸時代末期のこと、孝明天皇が即位する時に側に仕える多くの女官が病気になったことがある。
天皇の命でこの神社で祈祷を行ったところ、女官達が奇跡的に回復した。
そのことから女官達の間で「折上稲荷様の御利益は折り紙付き」と云われるようになったとのことである。また、本殿の左手前の稲荷塚の所に開運腰掛石というのがある。
江戸末期に、宮中女官の長橋局やモルガンお雪が腰掛けてご利益を頂いたと云われる縁起のよい石とのことである。

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