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 JR神戸線の元町駅で下車した。
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所用があるが、それまでにはまだ時間がある。
昼食を済まそうと、高架下の商店街を物色することにした。

元町駅の線路の高架下は西隣の神戸駅にかけて通称「モトコ―」という商店街となっている。

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 このモトコ―の元町駅に近い南側に「MT食堂」という店があった。
台湾料理の店として、マニアには少し知られた店であるが、店名看板と営業中の札が表に掲げられているだけで、メニューや値段は店に入って見なければ分からない店である。
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 このような店は入ってみると意外と美味い料理をリーズナブルな価格で提供しているケースが多い。

入り口は看板が無ければ、何かの事務所の様である。
内部はウナギの寝床のように長い。
右手にカウンター、左手は電車の座席の様なテーブル席である。
昭和レトロの店と云ってもいいような内装である。

 注文は「ローメン」にした。値段もワンコインを少し出る程度。
餡掛けの中華麺までは分かっているが、それ以上は分からない。席は6割位うまっている。
タイミングが良かったのか、5分くらいで料理が出てきた。

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昔懐かしい、学食や社食の深めのプラスチックのカレー皿一杯に盛られている。

 餡は玉子とじである。
細かく刻んだ野菜や豚肉も入っている。
麺は平麺、沖縄そばにも似たりの麺である。
 さあ、頂いてみよう。
 餡掛けはそう濃くはない。ネトネトもしていないあっさり餡であり、麺と良く絡む。
濃厚なのが好きな人には物足りないかもしれない。
 麺は柔らかい。餡の柔らかさと同じ位であるので食べ易い。
これも、堅麺好きには、少々物足りなさを感じさせるであろうか。
 量は結構多いが、スムーズに最後まで頂いたのであった。
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 さて、食後は付近を歩いてみよう。
元町と云えば、中華街、神戸港メリケン波止場、花隈城跡、旧居留地などが知られている。
今回は旧居留地を適当に見てみよう。
 駅から海の方へ行くと、左手に大丸百貨店があり、その背後の大きな区画が旧居留地である。
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旧居留地とは明治時代に外国人が居住した治外法権の場所を云う。
北は西国街道、東は埋め立てられた旧生田川の現フラワーロード、西は埋め立てられた旧鯉川の現メリケンロード、南は海岸の領域である。

 大丸デパートのメリケンロードを挟んだ西には中華街南京町への入り口の長安門がある。
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ここに南京町があるのは、外国人居留地開設の当時、清国とは条約が未締結であったため、華僑は居留地に住むことができなかったため西隣に居住区を定め、中華街を形作ったいう経過を有する。

 大丸の裏には、38番館がある。
ヴォーリズの設計で1929年にシティバンク神戸支店として建設されたものである。
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 そこから北へ行くと大丸の東には朝日ビルディングがある。
渡辺節設計の旧神戸証券取引所の外観を復元したもので、テラコッタ造りである。
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 南へ下がるとそこには、民家風の建物、15番館がある。
旧アメリカ合衆国領事館で、国の重要文化財に指定されている建物である。
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 その道路を挟んで東には神戸博物館があるが、その道路を南へ行くと海岸通りへと出る。
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 海岸通りには、背の高い神港ビルがある。
川崎汽船の本社ビルとして建設されたもので、今でも現役である。
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 その西隣には内藤多仲の設計の商船三井ビルがあり、レトロ感を漂わせている。
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 更に西へと行き、メリケンロードの西に神戸郵船ビルがある。
 神戸大空襲で消失したが再建され、そしてその耐震構造により神戸淡路大震災を乗り越えたビルである。
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この場所はメリケン波止場への入り口である。
神戸港震災メモリアルパーク、海洋博物館、ポートタワー、オリエンタルホテルなど、お馴染みの風景が見られるところである。