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 京都市上京区の北野天満宮の大鳥居の今出川通りを挟んだ門前に「TU茶屋」と云ういつも行列が絶えない店がある。
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この北天満宮の界隈はいろんな食事処があるが、行列の店はここだけのような感じがする。

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京福電鉄の白梅町駅で降り、近くで用を済ませたら丁度昼であったので、5人程度であればそんなに時間はかからないであろうと、この行列に並んでみた。
行列の前は外国人であった。
待っている間に行列の前に仲間が次々と到着し、10人程度の待ちとなったのは予想外であった。
いわゆる席取りである。マナーも何もない振る舞いは止めて欲しいものである。40~50分ぐらい待ってやっと店の中の2階に案内された。
店は3階で、1階は少人数、2階は15名程度、3階は分からないが2階と同じようなものであろう。

この店は明治時代に創業した豆腐製造販売の店「TU屋山本」が平成の世になって開設した豆腐料理の店である。
TUとは、伊勢神宮外宮の食の神「豊受大神」から来ているとのことである

 この「TU茶屋」の名物は「とようけ丼」、早速注文したのであった。
料理が出て来るまでは約10分、1時間の待ちは流石に厳しいものであるが、やっと出てきた。
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 丼は豆腐が主食材である。
豆腐に加え、油揚げ、九条ネギ、シイタケなどなど、沢山の具材が一緒に煮込まれたものが丼の表面を覆っている。
豆腐も京豆腐で柔らかい絹こしの様である。
そしてセット料理になっていて、小鉢が3つ、そして漬物が付いている。
小鉢は、おぼろ豆腐、生湯葉、そして酢の物。
さあ、頂いてみよう。
 まずは丼、少々濃い味付けである。
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一見、中華の麻婆丼を和風にような感じであるが、山椒味が効いて、野菜のまろやかさもあり、中華とは全然違う和風の料理である。

 湯葉やおぼろ豆腐はそれなりのアクセントとなり、美味いものである。
量は少々少なめであるが、昼には丁度良いくらいで、美味しく完食したのであった。
 表へ出るとまだ行列は続いている。
いつ見ても行列の店、制覇した満足感を得て、店を後にしたのであった。
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 昼食の後は付近の探索である。
北野天満宮は何度かお参りしているので、その東にある花街(かがい)の「上七軒(かみひちけん)」を歩いてみよう。
 上七軒は室町時代、北野天満宮の修復の際に残った用材で、神社の東側に七軒のお茶屋を建て、七軒茶屋と称したことに始まる。
その後、有名な豊臣秀吉の北野大茶会の折、名物の御手洗団子を太閤に献上し、大いに満足を得たとのことで、以来これを紋章としている。
 上七軒は場所柄、西陣との結びつきが強く、西陣の盛衰により左右されてきた。
近年は、お茶屋10軒、芸妓、舞妓合わせて31名とのことで、飲食店舗も数多く並んでいる状況である。
 北野天満宮の東側の塀に沿う道を上がると、先ずは上七軒歌舞練場の入り口がある。
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上七軒の舞踊は花柳流と云い、京の五花街の中で春の最も早い時期に「北野をどり」を開催することで知られている。
また夏には、ビヤガーデンを開いていて、人気だそうである。

 歌舞練場の入り口前を更に北へ行くと、左手は天満宮の東門である。
右手は上七軒の入り口である。
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ここから石畳の道が東へと続く。
両側にお茶屋や趣のある食事処が並ぶところである。
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観光客が多い場所でもある。

 この道を真っ直ぐ進むと今出川通りへ出てしまうが、途中で南へと折れる。
細い道ではあるが、ここにもお茶屋や置屋、そして芸妓組合のオフィスがある。
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この辺りは歌舞練場の東側である。

 ひっそりとした昼間の花街である。
夫々の軒先には御手洗団子の紋章の提灯が吊るされていて、雰囲気を醸し出している。
 そして歌舞練場の南側の道を西へと、北野天満宮の横へと戻ると上七軒の一周である。
 上七軒は大きな花街ではないが、今なお当時の雰囲気を保っているように見受けられるところである。