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 大阪府堺市の南海電鉄高野線の堺東駅で途中下車した。
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堺市内には西から南海本線、南海高野線、JR阪和線の幹線が通っていて、それぞれの主要駅は堺駅、堺東駅、そして堺市駅となっている。

 それらの駅の内どれが中心駅かと云うと、色々と議論はあろうが、駅前に市役所や官庁街やデパートがある堺東である。
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特に堺市役所は高層の庁舎で、最上階の展望ロビーからは周辺の百舌鳥古墳群などを展望することができるベストなポイントである。

この堺東駅のすぐ北を通る道は古代の長尾街道と呼ばれ、紀州街道と堺で別れ、奈良へと超える道路であった。
300m程南に、竹内街道という飛鳥へ越える我が国の官道第一号が通っているが、この道はそれとは違い藤井寺から河内国分を通り、二上山の北の大和川の渓谷を抜け、二上山の東山麓の沿って、葛城市の長尾神社のところで竹内街道と合流する道である。

 堺東駅から長尾街道を2区画程東に行ったところに「方違(ほうちがい)神社」と云う古代に創建された神社が鎮座している。
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祭神は天神地祇、素盞嗚尊(すさのおのみこと)、住吉大神、神功皇后の四座を方違幸大神(かたたがえさちおおかみ)と号し、人皇10代崇神天皇5年に疫病が流行したため、素戔嗚尊を祀り創建したと云われる。

 この神社の地は、摂河泉すなわち摂津、河内、和泉の境の三国山(三国ヶ丘)であり、三令制国のいずれにも属さない方位のない地である。
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それゆえこの方違神社は、古くから方位、地相、家相などの方災除けの神社として信仰を集めてきている。
そして、後鳥羽天皇など歴代天皇や、平清盛、徳川家康、弘法大師空海などと云った歴史上の人物も祈願したと伝えられている。

 また境内には、神功皇后の馬繋ぎの松も祀られている。
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 現在、神社の社殿の内、拝本殿が建て替え工事中で、白いパネルに囲われたままになっている。
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過去に撮影した拝殿の写真を合わせて掲載する。

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 神社の南側は田出井山(たでいやま)古墳で、 百舌鳥耳原北陵として仁徳天皇の子であり履中天皇の弟である反正天皇の御陵に治定されている。
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後円部が神社と接しているが、古墳側面を回り込むと南側の前方部の拝所の正面へと出る。

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 拝所から西へと駅に戻る方向に住宅街を辿ると、堺東駅の東口に出るが、丁度昼なので、電車に乗る前に食事をしようと駅の正面へと踏切を渡り、食事処を探してみた。
 駅前は路線バスのロータリーを中にして、周辺に雑多な種類の店が並ぶという構成になっている。
その並びに「九州名物 かしわうどん」という看板の店があった。
あれこれと探すのは面倒なので、このかしわうどんの店に入ったのであった。
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 店の名は「TTJ庵」と云う。
店内は厨房を真ん中に周囲をコの字型のカウンターで取り囲む20席ばかりの店である。
半分ぐらいの込み具合で、席に座れたのであった。
 メニューを見てみる。
多彩であるが、ここは表看板の「かしわうどん」が気になる。
それを注文したのであった。
 待つこと5分くらいか、かしわうどんが出てきた。
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 柔らかそうなうどん出汁に、かしわ肉をほぐして煮込んだものが沢山混ざっている。
そしてきざみ葱とかしわの脂も結構浮かんでいる。
どんな味がするのか頂いてみよう。
 出汁は結構甘い。甘すぎるという感じである。
かしわも甘い。嫌味な甘さではないが、煮込むとこのような味になるのであろう。
うどん麺はもっちり。大阪うどんにもないモチモチ感、博多のうどんの雰囲気が出ている。
総じて柔らかくて優しいうどんと云う感じである。
 七味を振りかけ、丁度良い味のバランスまで持ってきた。
これで安心である。
麺とかしわ肉のほぐしを最後まで頂いたのであった。
 かしわうどんと云うのは北九州の名物である。
北九州市の筑豊線分岐の折尾の駅前や小倉駅のホームなど、あっちこちに「かしわうどん」や「かしわめし」の売店があるそうである。
九州ではかしわだけではなく、博多うどんの定番、博多ゴボウや丸天などもあるようである。
 何度か折尾や小倉に行っているのに、出会ったことはなかったのは残念であるが、ここ大阪堺でその一端に触れることができ、店を後にしたのであった。