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 兵庫県淡路島の北淡地区付近は、今から20年前の兵庫県南部地震の震源地であった。
その北淡地区に、地震で出現した野島断層の保存館が建てられ、地震の凄まじさと脅威を伝えるものとなっている。
 兵庫県南部地震は、六甲・淡路島断層帯の一部の淡路島西岸北部の北淡地区の約10kmに渡り、海側の地面が南西方向に1~2mの横ずれ、山側がそれに覆いかぶさる形で約1m隆起して逆断層を誘起したものである。
 地震が起こって後の3年後、断層の中でも顕著であった野島断層の一部を保存する「北淡震災記念公園」、そしてその公園内に「野島断層保存館」が設けられ、断層の一部が保存されたのであった。
更に、この断層は国の天然記念物にも指定された。
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 保存館の館内に入ってみると、エントランスには阪神高速道路の倒壊の様子が生々しく展示されている。
そして館内全体を使って断層の状況がそのまま保存されている。
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断層の断面が綺麗にカットされていて、地震の大きなエネルギー発露の跡を生々しく見ることができる。

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 またそのまま館外へ通り抜けると、地震で被害を受けた家屋が「メモリアルハウス」としてそのまま残されている。
庭先では塀が破壊され、芝生面には地面の隆起・陥没が見られる。
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 住宅の食堂・台所は食器棚が倒れ、食器が散乱している光景が残されている。
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 その他、地震体験館なども造られているが、気持ち的に余り長く見学できる場所ではない。
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 保存館の前に、物産館「ほくだん」と云うのが設けられている。
入口には「淡路島牛丼」と「淡路島のしらす丼」と云う幟が立っている。
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 この物産館はお土産販売を主体とするようであるが、食事コーナーもあるらしい。
丁度昼時であったので入ってみた。
海側に向かってレストラン「SKR」の入口がある。
案内されて、海が見えるテーブルに着席したのであった。
先客は5~6名が一組、あまり流行って無いようであるが、静かな雰囲気で有り難い。
 再び店員嬢が注文を聞きに来た。
メニューを見てみると、色々な種類の料理がある。
しらす丼も外せないが、やはり淡路牛の牛丼を食べてみる価値があろう。
少々値段は張るが、牛丼を注文したのであった。
 10分近く待ったであろうか、トレーに乗せられて牛丼が出てきた。
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トレーには、牛丼の他に、半熟たまご、味噌汁、刻み生姜が乗せられている。
牛丼には刻み葱が少々乗せられているが、葱を外したとしたら、丼も含めて吉牛の牛丼とよく似ている。

 先ずは味噌汁である。
これは、全くの普通の味噌汁である。次に半熟たまごと生姜少々を乗せて牛丼を頂いてみる。

 見かけはそれこそ吉牛と同じであるが、味は全く違う。
牛肉は柔らかく、高級すき焼きの様な味である。
値段3倍、味も3倍である。
 牛肉の下には淡路玉葱が隠れている。
これは余り味の差はないが、淡路と思うと美味く感じる。
 この高級牛丼、たまごと混ぜながら美味しく頂いたのであった。
 淡路島は、かつては子牛の大生産地で、関西地区の畜産農場へ送られたようである。
現在でも但馬牛は淡路の出身が多いようである。
 勿論、淡路島の島内で育てられて、霜降り度が一定以上の基準に達したものは淡路ビーフと呼ばれている。
淡路島牛丼はこの牛肉で調理されているので、美味い筈である。
 淡路島は「御食国(みけつくに)」と呼ばれ、かつては朝廷へ食材を届ける所であった。
現在もその伝統を受け継ぎ、淡路島牛丼プロジェクトを立ち上げ、淡路牛と淡路玉葱、そして淡路米の素材で、60店舗が参加しているとのことである。