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 兵庫県の姫路には、面白い食べ方がある。
播州明石のたこ焼きである「明石焼き」に、大阪のようにソースを掛けて、それを明石焼きの出汁汁に浸けて食べる食べ方である。
 姫路城の平成の大修理に合わせて再開発された姫路駅の駅前ビルの地下に「姫路TP」と云う店がある。
「姫路元祖 明石焼き風たこ焼き」と銘打たれている。
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 途中下車したついでに訪れてみた。
 店はフードコート風になっていて、店前と通路を挟んで向こう側にも沢山の席がある。
食券制の店であるので、先ずは券売機でプラスチックの食券を求めた。
 販売カウンター前には10名ぐらいの行列ができているので並んだ。
10数台のたこ焼き器に調理人2人が、見事な手さばきでたこ焼きを焼いているのだが、なかなか追いつかないようである。
 10分ぐらい待たされただろうか?
やっと明石焼き風たこ焼きを渡して貰い、テープルに座ったのであった。
 そこにはお好み焼きテーブルのようにソースが入った器が置かれている。
さてどうしたものか?
10個全てにソースを塗ってしまえば、元に戻れない。
半分ぐらいにソースを塗って、食べ比べることにしたのであった。
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 先ずはソースなしのもの。
出汁に浸けて食べてみる。
正に明石焼きそのものである。
 次にソースを塗ったものをそのままで食べてみる。
柔らかめのたこ焼き味である。
 最後に、ソース塗りを出汁に浸けて食べてみる。
何とも微妙な味である。
ソースの味が勝っている。洋風和風をミックスした境目のない味である。
和食料理にソースを掛けて食べるような感じである。
しかしこれが姫路風なのである。
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 周りを見回してみると、皆さんソースを塗った明石焼きを食べている。
 姫路風と云えば、姫路おでんは生姜醤油を付けて食べる、駅そばは日本蕎麦では無く中華麺に似た麺の所謂「黄そば」であるなど、ちょっとしたひと工夫がなされている姫路である。
 姫路駅の正面に姫路城が良く見える。
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 この3月から一般公開されている。
4ヵ月経った7月時点で、既に来場者100万人を突破したそうである。
この様子では、年間300万人もと、関係者は期待しているようである。
その証拠に現時点でも、休日は大盛況で整理券が発行されている。
 観光客は、日本人のみならず、海外からの客も多いと思われる。
姫路駅構内や駅前を歩いていると、欧米人それに中国人の団体さんを良く見かける。
 また、「ジャパンレールパス (Japan Rail Pass)」と云う新幹線を含めた乗り放題切符が国外で販売されているとのことで、改札口でそれを示す外国人を良く見かける。
京都観光に追加して、片道一時間で姫路観光が容易に出来てしまう。
便利なものであろうと思われる。
 こちらは「青春18きっぷ」である。
新幹線には乗れないので、新快速電車の上りに乗り明石駅に停車すると明石城跡が良く見える。
本丸の東南、即ち向って右側に巽(たつみ)櫓、西南である左側に坤(ひつじさる)櫓が見える風景である。
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 姫路城の様な豪華さは全くないが、これはこれで地味な明石のシンボルでもある。
ここはソースを付けない明石焼きの本場である。
 同じ播州地方でも、派手な西播の姫路、落ち着いた東播の明石、それぞれの地域性が感じられる瞬間であった。