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 大阪市港区の大阪港の一つ手前の地下鉄朝潮橋で途中下車した。
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昼時であったので、昼処を探して商店街まで歩いてみた。
朝潮橋の商店街は八幡屋商店街と云う。

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 この辺り一帯の新田開発の音頭を取った八幡屋忠兵衛に因んで八幡屋と云われている。
八幡屋商店街は立派なアーケードが設けられた商店街である。
中央に五差路の交差点があり、天井はドームになっている。
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 その交差点に「OS」という、うどん・そばの店があった。
このような場所にあるうどん屋さんは、意外と人気のある店が多いものである。
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 良くは分からないまま、思い切って入って見たのであった。
 入って見ると、4~5台のテーブルは全てふさがっていて、カウンターが2~3席空いている。
流行っている店である。
少し安心して、カウンターに座ったのであった。
 出汁も麺も何も分からない。
大阪であるからきつねうどんは問題なく美味いであろう。
きつねうどんと注文したが、「きつねそばでお願いします」と云い換えた。
すると「たぬきですね…」と店員さんの声。
「そうですね」と答え、注文を完了した。
 今更ながらに気が付いた。
大阪では「きつねそば」のことを「たぬき」という。
たぬきは土地により違いがある。
京都のたぬきは「あんかけうどん」のこと、東京のたぬきは「あげだまうどんかそば」のことである。
大阪ではきつねうどんも洒落て「しのだ」ということもある。
大阪の信太の森の稲荷神社に由来すると云われている。
尚、名古屋にも「志の田うどん」と云うのがあるが、大阪の「しのだ」とは関係なさそうである。
 暫く待って「たぬき」が出てきた。
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横広がりの大きな麺鉢である。
豪華に見えるので、嬉しい気分になった。

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 先ずは頂いてみよう。
麺はどちらかというと白い。信州蕎麦のようである。
一口食べてみると、これは美味い。
出汁はどうか? 一口頂いてみると結構濃い。
鰹と昆布であろうか?、シッカリと香りが生きている。
やはりこういうところのうどん屋さんは美味いんだ、という法則にい合致する味であった。
 しかし、揚げは小さいのが一枚だけで、味も薄味であったのが、少し不満であった。
ワンコインにも満たない御代であるので止むを得ないか…。
と、何やかや云いながら、美味しく最後まで頂いたのであった。
 港区の中央には国道172号線である「みなと通り」が通っている。
この八幡屋商店街はみなと通りの南側にあるが、通りの北側を散策してみよう。
 通りの向かい側は八幡屋公園と云う。
その公園の西の端に大きな建物がある。
大阪市立中央体育館である。
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半地下の様な体育館で、屋根の部分しか地上に出ていない。

 戦前はこの八幡屋公園に東洋一と云われる大阪市の大運動場があり、各種の大会が行われた。
しかし、戦後しばらくして長居に競技場が開設されたため廃止された。
その分、この公園にあった大阪国際見本市会場は拡張されたと云われる。
しかしこれも南港に見本市会場が開設されると不要となった。
 その後、公園の東西の端に体育館とプールが建設され、現在も市民の利用に供している。
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中央部にあった陸上競技場は公園としてその元の姿が想像できるようになってもいる。

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 大阪市港区は、かつては海上交通や海運の中心地であったが、今は旅客は陸上交通に、海運はもっと大型の咲洲や夢洲に奪われ、大阪港天保山も寂しくなって来ている。
時々に海外からの大型旅客船が接岸することぐらいが賑わいなのであろうか…。
 隣の此花区のUSJは賑わっているのに…と思い、港区を後にしたのであった。