1
 兵庫県と岡山県、もっと詳しく言えば、国道二号線の両県県境の船坂トンネルを兵庫から岡山に抜けた辺りから岡山市の中心部に向けて「岡山ブルーライン」という高速道路ではないが、信号が殆どないドライブウエイが通っている。
 このブルーラインの途中には道の駅が幾つかあるが、その中でも瀬戸内国道250号線と交差するところに「備前海の駅」がある。
イメージ 1
 この地方では有名なスーパーマーケット「MN」に併設されているもので、地域の買い物拠点であろうか、結構人が集まっているところである。
この海の駅の店内に比較的大きなフードコートがあり、海の駅ならではの魚介類を中心とした食事処となっている。
今回はこの海の駅に途中立ち寄りし、昼食としたのであった。
 メニューは海鮮丼とこの地方の名産の牡蠣料理、そしてカレーや麺類である。
折角なので海鮮丼の中から、一番安価な「なないろ海鮮丼」を選択したのであった。
「酢飯と白ご飯どちらにしますか?」
との問いかけがあったが、ちらし寿司風が良かろうと、「酢飯で…」とお願いし、席に掛け暫く待つことになった。
 お決まりであるが、番号で呼ばれることになる。
早速、受け取りに行ってテーブルに置き、さあ頂いてみよう…。
イメージ 2
 乗せられている魚介はメニュー通りの7種類である。
マグロ2種、イカ2種、イクラ、エビ、そしてヒカリモノである。
 テーブルに海鮮丼用のかけ醤油が置かれている。
適度に振り掛け、そして山葵をそれぞれの魚に塗りつけた。
 ベースの酢飯と上部の魚の間に錦糸玉子がたっぷりと敷かれている。
一緒に食べると、寿司とは違ってまた別の柔らかな味がするのが不思議である。
 魚を次々と頂いて行くが、最後はどうしても箸では摘まみにくいイクラが残ってしまう。
酢飯とイクラを混ぜながら徐々に口に運び、最後にガリを摘まんで完食となった。
海の駅の海鮮丼、美味しく頂いたのであった。
                 2
 さて食事の後はドライブの継続である。
岡山ブルーラインを岡山市方向に向かう。
直ぐに備前湾の湾口に架けられた大橋を渡り、瀬戸内市に入る。
瀬戸内市に入って暫くは山間の道である。
アップダウンを繰り返し、やっとのことで平地へ抜けだしたところに邑久(おく)というインターチェンジがある。
ここから牛窓と云うリゾートゾーンの海岸線へ行くことができるので、思い切って降りてみた。
 牛窓港の風景は、ヨットやボートのマリーナ、リゾートマンションやホテル、レストラン等々、それなりの雰囲気のある海岸である。
しかし海は夏が賑わう。この時期はかなりの空き具合で寂しいくらいである。
 牛窓に牛窓神社と云うのがある。
海岸線に一の鳥居があり、そこから神社が鎮座する小山へと参道階段が続く。
イメージ 3
 参道を登り詰めると牛窓神社の境内となる。
境内は正に秋色である。
イメージ 4
 上手い具合に神主さんがおられて、色んな話を伺うことが出来た。
 牛窓神社は主として神功皇后を祀る神社である。
イメージ 5

神功皇后が三韓征伐の帰りにこの港に立ち寄ったところ、この地の人々は暴れる牛鬼に悩まされていた。
皇后の一党はこの牛鬼を捕まえ、身体をバラバラにして海に投げ捨てたのであった。
バラバラになった身体は、胴体の前島(下部の写真)を始め、頭は黒島、前足が黄島、後ろ足が青島、そして尻尾が鼠島となって、牛窓湾に点在した。

イメージ 6
イメージ 7
 そして皇后は、この牛鬼が復活しないようにと陸地の山から睨みを効かすことにしたと云うのがこの牛鬼神社の始まりであり、今でも睨んでいるとのことである。
 以下、蛇足である。
牛窓という地名であるが、牛が「転ぶ」ことを「転ぶ(まろぶ)」という。
神功皇后の牛鬼退治は「牛が転ぶ(まろぶ)」ことであり、それが訛って「牛窓(うしまど)」となったのが由来とのことである。