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 奈良市の中心部、近鉄奈良駅のバス乗り場の向こう側の大きな交差点「高天」の北西にパン屋さん兼お菓子屋さんの「パネトーネ」と云う店があった。
「大仏あんぱん」という珍しいあんぱんを販売していたが、この間行って見たら残念ながら店は閉鎖されていた。
 この大仏あんぱん、以前に買い求めて大いに驚いたことがあった。
見かけは普通のあんぱんである。
しかし中身は…。
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 かくの如しである。
計測してみると何とパン全体が350g、普通のあんぱんは100g程度であるので極めて重たい。店の表には、
「名物 つぶつぶ 大仏あんぱん
たかがあんぱん されどあんぱん 味なぞ言わぬが花
まずはご笑味あれ えらいことになりまするぞ」
と書かれているのも頷ける。
 あんぱんの中身は全て餡子、パン全体の厚さは3.5cm位であるが、パンの皮は極めて薄い。
完食は普通のあんぱんの3.5個分の餡を一気に食べることになり、胃にも身体にも優しくは無い。
眺めるだけで腹一杯となってしまった。
そして3回に分けてやっとのことで完食となったのであった。
恐るべしあんぱんである。
この大仏あんぱんの他に奈良には珍しいものが幾つかある。
近鉄奈良駅の東側の東向(ひがしむき)商店街を南に通り抜けたところに高速餅つきのNT堂がある。
臼と杵でそして人力で高速に、目にも止まらぬ速さで餅をつく。
蒸した熱い糯米が冷めない内にと云うことで、美味しい餅が仕上がるとのことである。
出来た餅は直ぐにきな粉で包んだよもぎ餅にして販売してくれる。
よもぎ餅もおいしいが、餅つきに見応えのある大人気店である。
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 ついでにもう一つ。
高速餅つきの隣、餅飯殿(もちいどの)の商店街の入り口に、これも珍しいうどんを出す店がある。
「巾着うどん」という。
きつねうどんの逆さまである。
大きな揚げでうどん麺を包んだうどんである。
大いなる変わり物である。
 この辺りは、法相(ほっそう)宗興福寺の西南側の隣である。
興福寺の国宝五重塔は有名であるが、国宝三重塔を眺めて行こう。
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 興福寺の境内の南西の角の一段と低いところに佇んでいる。
あまり知られていない建物である。
 ついでに五重塔も眺めてみる。
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この辺りは中金堂が建築中で何となく落ち着かない雰囲気である。

興福寺と猿沢の池との間の三条通りを東へ向かうと春日大社の一の鳥居に突き当たり、その先は神域である。
その神域を斜めに歩き、国立博物館の横を通って華厳(けごん)宗東大寺へ向かう。

 片側に土産物や食事処の店が並んでいる東大寺の参道を歩き、南大門を潜る。
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大仏殿を横目に見て、春日山の山麓にある2月堂に向けて境内を登って行く。

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お水取りで知られるが、今は静かな所の筈である。

 しかしそうではなかった。
修学旅行のシーズンであった。
集団でそこここに佇み、お堂の由来などの説明を聞いている。
写真撮影には邪魔になるが、このシーズンだから仕方がない。
 居なくなるのを待って、写真を撮り、東大寺を後に近鉄駅に戻り、ミニ旅は終了とした。