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今回も兵庫県の尼崎駅での途中下車である。
阪神尼崎駅は駅の西側に長大なアーケードの商店街が続いていて、歩いて見れば何か目新しい物が見つけられる。
またこのアマの商店街は熱烈な阪神タイガーズ応援商店街としても知られている。
東西に中央商店街、またその西端に南北に三和商店街、合わせて2kmにも及び、店舗数も600を数えると云われている。
中央商店街は一番街、二番街はなくて三番街、四番街、五番街まで続く。
一番街、三番街は駅に近いからか、パチンコ、ゲームセンターや一般的な駅近の店が多い。
四番街からは買い物の店が多くなる。
四番街には有名な食材の安売りスーパーがある。
賑やかな所である。
今日も多くの客が食材を物色している。
この先、左手に折れれば尼崎の寺町に向かうがそれは後にして、先ずは昼食である。
五番街に横にそれるナイス市場と云う通りがある。
半分ぐらいのシャッター街であるが、中ほどに「SD屋」というお好み焼き屋がある。
元祖スープたこ焼きという看板も上がっている。
スープたこ焼きは朧げながら想像が付くが、一度食べてみないといけない。
暖簾を潜り引き戸を開けて入ってみた。
店はテーブルが5~6脚、そう広い店ではない。
奥のテーブルに案内されて座った。
見回してみると、MBSテレビ水野真紀の「魔法のレストラン」取材の掲示がなされていた。
これは期待が出来るな…と、早速スープたこ焼きを注文した。
先客は2組、まだ料理が出ていない。
順番に焼きそばやお好み焼きが出てくる。
15分ぐらい待たされたであろうか? やっとスープたこ焼きが出てきた。
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15cmぐらいの深皿にたこ焼きが10個、出汁に包まれている。
トッピングは三つ葉と柚子片、「お熱いのでお気を付け下さい」との説明が…。
さて頂いて見よう。
確かに熱い。
熱過ぎてたこ焼きをほうばることはできない。
箸で断片にしてふうふう言いながら食べるのが関の山である。
タコ焼きは表面も柔らかい。
明石焼きぐらいであろうか?
内部も大阪のたこ焼きと明石の玉子焼きの中間ぐらいであろうか?
どちらかというと明石の玉子焼きを球形にしたような感じである。
出汁スープはどうか?
黄金色で昆布と鰹節が効いてる。
美味い味である。
たこ焼き、出汁と交互に美味しく頂いたのであった。
このSD屋、60年前からの営業だそうである。
先代の御主人が亡くなって、店を閉めようとしていたところ、当時の客であった美人姉妹のNさんが店と味を引き継ぎ、今日を迎えているとのことである。
スープたこ焼きは大阪と明石の間にある尼崎の中庸の所作である。
大阪のたこ焼きは表面をカリッと焼き上げ、濃いソースやマヨで味付けして食べる。
明石の玉子焼きは卵をふんだんに入れ円盤状にふんわりと焼き上げ、出汁に浸して食べる。
それならばと云うことで、最初から明石の出汁に、大阪のたこ焼きを浸して食べると云うのが元祖アマ流である。
カリッともいいが、恐らくは研究した結果、現在の様に柔らかめのたこ焼きがマッチしたと思われる。
尼崎は本来は、大阪なのだろうか兵庫なのだろうか?
兵庫は六甲山系と武庫川から始まると考えた方がすっきりする。
因みに尼崎の電話の市外局番は06で大阪市と同じであり、情報通信ネットワークは古くから大阪に組み込まれている。
色々あるが、ともかく大阪兵庫の仲を取り持つ尼崎であることは間違いがない。