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 愛媛県の今治市のご当地名物料理に「焼豚玉子飯」と云うグルメがある。
名付けの通り、焼豚と玉子をトッピングした丼飯である。
 この焼豚玉子飯は今治市の有志で世界普及委員会を組織し、B-1グランプリに出店し、一昨年と今年と銅賞に輝いている強者グルメである。
B-1グランプリはご飯物には中々ハードルが高いと云われ、入賞は中々難しい。
競技のやり方にもよるのと思われるが、その中で2度の3位獲得はご同慶の至りである。
 さて、このご当地グルメを頂いてみようと予讃線の今治駅で途中下車した。
目的はもう一つある。
日本100名城、三大水城の一つ今治城の観光であるが、先ずはグルメである。
 今治には全くの土地勘がない。
方向も良くわからないまま、途中で焼豚玉子飯の幟を見つけた。
店の名は記憶があいまいなので、省略させていただく。
 店内には10脚程度のテーブル席と小上がり席が並んでいる。
その時の客は半分強の入りであったろうか。
 注文は迷わず「焼豚玉子飯」である。
「たまごめしですね」
と念を押された。
通称「たまごめし」で通用しているようである。
 待つこと5分ぐらいか…。
たまごめしが出てきた。
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 白い中華丼用の器に、厚めで一口サイズの焼豚が一面に乗っかり、その上に半熟の2玉の目玉焼き、そして刻み葱が乗っている。
見るからに美味そうである。

白いご飯には何かタレが掛けられている。
先ずは白ご飯を一口、タレは焼豚の煮汁のようである。

 卵の黄身を潰して焼豚に絡むようにした。
そして中華レンゲにご飯と焼豚を乗せ、味わいながら頂いたのであった。
焼豚はラーメンのトッピング以外ではあまり食べる機会が無いが、このように主役としてご飯に乗せて食べるのも何とも言えない美味しいものである。
瞬く間に完食となったのであった。
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 待っている間、食べている間にも客が入ってきて、「たまごめし」と注文の声が聞こえて来る。
人気のグルメとなっていることは本当であった。
 この焼豚玉子飯はかつて今治のある中華料理店のまかないとして食べられていたもので、メニューに加えた結果人気となり、他の店でも出されるようになったと云う逸品である。
中華料理のようではあるが、日本料理ともいえるような「たまごめし」であった。
 さて次は今治城のチラ見である。
今治城は堀に海水が引き込まれた水城である。
江戸時代になって伊予の国を治める築城名人の徳川大名藤堂高虎により築城されたのもである。
この城の特徴は、水城という所以である海水が引き込まれていて、海から直接船が出入りできる水系となっている。
到着し堀を覗いてみると、クロダイらしきものが泳いでいたのが確認できた。
 当初、天守も築城されたようであるが、その後の徳川の天下普請により丹波亀山城へ移築され、天守の無い城となっていた。
遺構は見事な石垣群と堀のみで、昭和の時代に天守、平成になってその他の建物が再建されている。
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 入城は堀に設けられた土橋を渡って黒鉄門から入る。
門を入ると二ノ丸跡で、藩主の居館があったところである。
広場には藤堂高虎の像も建てられている。
 二ノ丸から櫓門を潜り一段と高いところが本丸、天守である。
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 本丸跡には吹揚神社の本拝殿が鎮座している。
 今治城は藤堂氏がしばらくの間城主であったが、高虎は伊勢国に移封、養子の高吉は名張へ移封された。
その後、久松松平家が藩主として入城し、明治まで続いたのち廃藩廃城となり、建物は破却されたという歴史を辿っている。
 今治と云えば北へ行くと尾道との間の島々を渡るしまなみ海道がある。
それはまたの機会とし、今治を後にしたのであった。