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 思いがけないことがあるものである。
昼にしようとJR尼崎駅で途中下車して新しく出来たのであろう、駅前の大きなショッピングセンターに行ってみた。
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このような場合、普通は駅舎内外の駅蕎麦の立ち食いで済ますのであるが、いつもそれではと思い、趣向を変えてみた。
 大型のショッピングセンターにはフードコーナーとかがあって、色んな種類の店舗が出ている。
良く名前の聞くうどん店もあった。
 しかしこれでは駅そばと一緒である。
何か探してみよう…。
大阪の有名な粉もんの店があった。
「BTJ」という。
その店の掲示メニューに、各地の焼きそばが並んでいる。
「富士宮やきそば」「横手焼きそば」「ひるぜん焼きそば」それに自分のところの「大阪焼きそば」である。
大阪以外の焼きそばは、かつてB-1グランプリで優勝したメニューである。
おまけに看板にはそれぞれの運営団体から認定されているとの表示もある。
どういうわけか価格も同じ価格である。
 今日の昼食はこれで…、と決定した。
4種類の食べ比べをするのが最高であろうが、大食い選手権状態になってしまうし、無論そんな量は食べられない。
ここは諦めて一品だけと云うことで、ひるぜん焼きそばを選んだのであった。
 ワイヤレスのコール端末を渡され、待つこと5分ぐらいか、呼び出されて受け取りに行った。
 カウンターにある紅ショウガ、青のりと胡椒の振り掛けを少々、空いている席に運んで、さあ食べてみよう。
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 ひるぜん焼きそばは、麺が少し太目である。具は親鶏のカシワ肉、それに蒜山名産の高原キャベツが合わさってて炒められている。
タレは秘伝の味噌ベースの甘辛タレだそうである。
それにガーリック味がかなり効いている。
総じて少々甘めのニンニク味、そのような味付けであった。
 この手の焼きそばはあまり食べないが、久しぶりに美味しく頂いたのであった。
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 このひるぜん焼きそばは、2010年に厚木市で開催されたグランプリ大会で2位、そして次の年2011年の姫路市で行われた第6回グランプリ大会で堂々の優勝に輝いたのである。
正確に云うと、この焼きそばを推進している「ひるぜん焼そば好いとん会」というご当地の団体が受賞したのである。去年まで8度の大会が開催されているが、そのうち5回も焼きそばが1位となっている。
富士宮焼きそばが2回、横手焼きそばが1回、このひるぜん焼きそばが1回、昨年の福島のなみえ焼きそばが1回の受賞である。
第1回、第2回の優勝が焼きそばであったので、焼きそば有利に展開している大会なのでろうと思われるが、どうなんであろうか?

 それはそれとして、ひるぜん焼きそばと蒜山について少し調べてみよう。
 蒜山と云う地域は、岡山県の北部にある真庭市域のその北の端の地域にある。
蒜山三座の上蒜山、中蒜山、下蒜山という山があり、その山麓に広がる高原である。
この蒜山高原から更に北へと行くと、蒜山からの連山である鳥取県の有名な大山山麓に繋がっている。
現在はこのルートで高速道路が通っていて、車では比較的行き易い場所である。
 この蒜山地方では、昔からジンギスカン焼肉が良く食べられている。
そのジンギスカンのタレを使って、家庭や居酒屋では鶏肉を酒の肴として焼いていた。
そして呑みの締めには、蕎麦やラーメン、饂飩が常道であろ。
この蒜山ではこの鶏焼きに締めのそばを入れて焼いたことが、ひるぜん焼きそばの始まりとなったと云われている。
 この焼きそば以外でも蒜山には名物がある。
蒜山蕎麦、流しそうめん、蒜山おこわ、さらにはジャージー牛のチーズフォンデュ、ステーキ、ソフトクリームなどが有名である。
 電車での途中下車では行けないが、車で移動するときなどには一度訪れてみて、本場のひるぜん焼きそばを味わって見たいと思う蒜山である。
 それに尼崎の駅前では、富士宮焼きそば、横手焼きそばが味わえることが分かったので、今度は複数で連れだって行って、食べ比べをしてみよう…。