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 今回は車でのミニ旅である。
 四国に用があって本四連絡高速道路での帰り道のことである。
四国と淡路の間にある渦潮で有名な鳴門海峡大橋を渡ったのは丁度昼ごろであった。
 そろそろ昼にしようと、その先にあるパーキングエリアに入ったのであった。
早速、カフェテリアのコーナーへ…。
掲示されているメニューを見てるうちに気が付いた。
今の淡路は新玉葱のシーズンである。玉葱メニューの中からラーメンにしようと決めた。
前々から一度食べてみたかったのがこのラーメンである。
専門店ではなくパーキングのメニューなのであまり期待はできないが雰囲気だけでも味わってみよう。

 チケットは自動販売機である。
購入ボタンを押すとオーダーは調理場に自動的に連絡できるシステムである。
料理ができると番号呼び出しがあることになっている。
付近で暫く待つことになった。
 呼び出されて玉葱ラーメンを受け取った。
席も見つかった。
さあ食べてみよう。
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 ここの玉葱ラーメンはトッピングに中くらいの大きさの切り込みを入れた焼き玉葱が中央にデーンとのっている。
そしてその周りに大き目の海苔、そして刻みネギこれだけのシンプルなものである。
 玉葱をほぐしながら食べるのであるが、焼き加減が気になる。
新玉葱には甘味とシャキシャキ感が特徴であるが、期待通りであろうか?
 それはそれとして先ずスープ、次に麺である。
スープは特段のものではない。
一般的な味である。
麺はと云えばこれも普通の熟成麺である。
そうであろう…、主役は玉葱であるから主張しない方がいいのに決まっている。
 さて玉葱は?
表面は少し柔らかめ、内部は程よいシャキシャキ、これは合格である。
 玉葱、麺、スープと交互に頂き、たちまち完食したのであった。
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ここで玉葱の効用について考えてみる。
玉葱には、辛味の硫化プロピル、旨みのグルタミン酸、甘味のオリゴ糖、苦味のポリフェノールが含まれている。
中でも硫化プロピルは、生で食べると血糖値を下げ、糖尿病の予防になる。
また炒めて食べると血液中の中性脂肪やコルステロールの代謝を促進する健康食品である。
 この玉葱の歴史はどうであろうか?
 玉葱のルーツは中央アジアと云われている。
そして古代エジプトの頃にはすでに貴重な栄養源となり、また薬としても用いられてたと云われている。
 この玉葱、日本に入り栽培を始めたのは明治の初期である。
一つは北海道のクラーク博士の札幌農学校で…、も一つは神戸に住むアメリカ人から種子を渡され、西洋料理の具材として生産を依頼された大阪泉州の農家である。淡路はどうかと云うと、この少し後に兵庫県から支給された種を、この泉州の栽培技術を移入することにより生産を始めたと云われる。

 そして大正期に、現在は南あわじ市であるが、当時の三原の広田村・榎列(えなみ)村を中心に商業的栽培を行ようになった。
それが上手く行って、更なる生産奨励が行なわれ、この地区で集団栽培が創始されたのである。そして昭和になって三原平野一帯で生産されることになり現在に至っている。
昭和39年の淡路の収穫面積は3000ヘクタールに達し、単位収量においても全国平均を大きく上回り、名実共に日本一位の生産額を誇る特産地となったのである。

 余談ではあるが、
淡路は手延べ素麺の名産地でもある。
その素麺を太く長くしたオリジナルの麺と、玉葱を使うことをルールとした「淡路ヌードル」というご当地グルメが仕組まれている。
この麺を使って、うどん風、ラーメン風、パスタ風など、店ごとにオリジナルの料理を作っている。
全島には30店以上もあるらしい。
次の機会には、これも味わってみたいものである。