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 千葉県であるが東京に極めて近い船橋というところで途中下車した。
この船橋駅は良く通過しているが、降り立つのは初めてである。
 今回は計画した途中下車であるので、予め調べておいたことがある。
それは船橋には「ソースラーメン」という名物グルメがあるということである。
恐らくはソース焼きそばのような味であろうが、食べてみないことには分からない。
 JR船橋駅で下車した。
駅前の広い通りを南に向かう。
京成電鉄の船橋駅がある。
 道路を挟んだ駅前に行列の店がある。
スープ春雨 上海麻辣湯の店である。
「TK楼」という屋号である。
ヘルシーなものらしく、行列の主は殆ど女性である。
興味はあるが、一応パスである。
 少し行って斜めに入る道に入って行く。
古そうな商店街である。
途中に道祖神社がある。
それを通り越して暫く行くと、見えてきた。
目的のラーメン屋「DR」である。
 しかし様子がおかしい。
店の前には提灯も暖簾も自転車も見えない。
近づくと、店にはシャッターが降りたままである。
ここまで来たのに本日閉店とは無常であるが、諦めよう。
 仕方ないので、次候補の店に向かうことにする。
道路には選挙関係のポスターがある。
野田佳彦氏が見つめている。
そういえば前総理の野田さんは、ここ船橋の出身であった。
 港の方に向かって歩いて行く。
途中に「御蔵稲荷神社」というのがある。
御蔵とは、郷御蔵のことで、江戸時代に各村々が飢饉に備えたり、年貢を一時保管したりした蔵のことである。
この神社の隣は公園になっている。寒緋桜が咲いている。
写真を撮っていると話しかけられた。
「この花は何ですか?」
「寒緋桜というんだと思いますが…」
「そうですか。今、河津桜を見て来ました」
場所を聞いてみると、少し行った川の土手に咲いているそうである。
 早速行って見ることにした。
 本数は少ないが咲いている咲いている。
見事なものである。
早速カメラに収めたのであった。
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 この川海老川を辿って行けは港に出るはずである。
そのあたりに次候補のラーメン屋「HT一番」がある筈である。この川に架かっている幾つかの橋や欄干には色々な装飾がされている。
魚や船やらで、川と景観を大切にしているのが良くわかる。

 少し行ったところに、「大神宮下」という案内看板があった。
何だろう? 早速大神宮なるものに行って見ることにした。
 「船橋大神宮」正式名を「延喜式内意冨比神社」という神社である。
西暦110年、日本武尊(やまとたけるのみこと)の東征の折に当地で東国平定の成就を祈願したのに始まると伝えられている。
 この神社では毎年子供相撲大会が開催される。
これは、徳川家康が鷹狩で当地に滞在した折、慰めで献上した地元の子供たちの相撲が始まりだと云われている。
見物客が相撲の勝敗判定を巡って物を投げたり、行司を巻き込み揉めることから、別名「けんか相撲」と云われている。
現在では、10月20日に大人相撲と子供相撲が行われることになっているようである。
 船橋大神宮にお参りしてご朱印を頂き、神社を後にした。
港に向いて歩く。
もう港であろう漁船が停泊している水路に朱塗りの「浜町橋」が架かっている。
橋を渡り高速道路の下を潜り、商店街へと向かった。
 「HM一番」の店は見つかったが、ここも休業日である。
今日はよほどついていない。
仕方がないので、駅に引き返すことにした。
歩くとなるともう気合は入らない。
大神宮下の駅まで戻り、船橋駅までは1駅ではあるが、電車を待って乗ったのであった。
 2度も振られてしまった。
こうなれば何でもいいからラーメンにありつこう。
 JR船橋の駅ビルにラーメン横丁があった。
ここでまずソースラーメンを探してみよう。しかしあるのは全国の有名ラーメン店である。
探した結果、東京中野の「AB」と云う店にした。
一度は行って見たいと思っていたので、丁度良かった。

 早速、基本の中華そばをお願いした。
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 頂いてみると、魚粉味が結構効いているツケ麺風の出汁であった。
好きな味なので、美味しく頂いたのであった。
 船橋のソースラーメン、残念ながら味わうことができなかったが、今度機会があれば来てみよう。