旧の仮名遣いで「ゐ」となる頭文字の駅として、大阪地下鉄今里筋線の終点「井高野駅」を選んだ。
井高野駅の周辺には、井高野、北江口という大阪市東淀川区の地域と、摂津市別府(べふ)があり、これらが駅のカバー地域であろうかと思われる。

井高野と云う地域は、北西側で鳥飼井路及び安威川を挟んで吹田市と、東側で道一つで摂津市と接する街である。
また北江口の地域は、神崎川を挟んで南は南江口、そしてその南は淀川を挟んで守口市である。

井高野駅の西1.5km弱の所には古くから阪急京都線の相川駅があり、その周辺の人々はそれを利用するが、井高野駅から北東方向には、駅も何もなくバスに頼る地域であったので、この駅ができて便利になったのではと思われるが如何であろうか?

井高野駅で下車し、付近を一巡してみることにする。
先ずは東側である。
駅から北江口地域に綺麗に整備されている緑道公園を辿るとバス道に出る。
道の向こうは摂津市である。

その道を北へと向かう。

右手に大きなグラウンドがある。
大阪KZ大学のグラウンド、摂津キャンパスとなっている。
グラウンドの北半分は建設工事がなされている。
学舎を建てるのであろうか?

道路の向かい側に「大隅神社御旅所」という神社があり、境内には「鎮守井高野明神舊跡」という石柱がある。
この辺りは井高野二丁目という住所地である。

今度は南へ歩いて見る。
左手に広い摂津市管理の公園がある。

公園を過ぎると新幹線の線路を潜り、暫く行くと大きな橋に出る。
神崎川に架かる江口橋である。
橋の上からはごみ処理場の向こうに、守口の大日にあるタワーマンションの2棟が良く見える。

今度は神崎川の右岸(北岸)を西へと歩く。
右手に「尼崎市水道局江口取水所」と云う建物とプールがある。
ここから尼崎はまだまだ遠いのに、なぜこのような所に?という疑問が浮かぶが、あるものはあるである。

左手の河川敷では幼児のにぎやかな声がする。
覗いてみると、運動会なのかどうかわからないが、幼児集団の大きな集まりであった。
更に進むと左手に水門がある。北から流れて来る鳥飼井路の流れを神崎川へ取り込む制御水門である。
ここから先は「相川」という住所地になる。

相川の地域を北へと歩く。
途中に大きな学校がある。
大阪SK学園である。
学校の間の路地を抜け、安威川の堤防までたどり着いたのであった。

阪急電車の鉄橋が見える。
吹田市の大きな病院も見える。
堤防道路の少しへこんだところで、近所の保育園の園児であろうか? 先生の指導の下、三輪車の練習をしていた。

堤防を少し北へと歩く。
ある程度行ったところで、東へ通路を取り、鳥飼井路を井高野橋で渡り、商店街へと入ったのであった。

商店街が尽きる辺りから高層住宅が林立している光景に出合った。
「大阪市営北江口第2住宅」と書かれている。
小学校もある。
「井高野小学校」である。
高層住宅の間を駅に向かうが、第2住宅ばかりである。
駅近くになって、「大阪市営北江口住宅1号館」と云う別名があった。

ここで井高野駅周辺をほぼ一周したことになり、駅への階段を降りて行ったのである。
井高野駅の構内には大きな地下自転車駐輪場があるようである。
そういえば来るときに乗った鴫野駅にも地下駐輪場があったような気がする。

駅建設の時に駐輪場も合わせて地下に作ってしまうという技は見事である。
今里筋線ではそのような駅が多いそうである。
また駅入り口にはオレンジ色のゲートを設け、目立つようにしていると云うことである。
このように利用者に配慮しているのことは、まさに拍手ものである。
勉強させて頂いた井高野駅周辺の探訪であった。

〔ゐノ駅 完〕