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兵庫県の大阪府と隣接する都市に尼崎市がある。
市内を北から阪急電車神戸線、JR東海道本線、阪神電鉄本線が東西に走り、南北にはJR福知山線が走る。
その中で、阪神駅が最も賑やかである。
この城は、旧ミドリ電化の創業者が、私財10億円以上を投入し、建設されたものとされている。
再建の場所は、かつての天守の位置ではなく、北西300mの旧三ノ丸である城址公園である。
四重の構造で、勇壮な風景を醸し出している。
我が国で一番に新しい城となっている。
元の尼崎駅の正面へと戻る。
駅前は中央公園となっていて、その西口から道路を挟んで、アーケードの尼崎中央商店街が西へと延びている。
最初はおとなしい。
しかし途中から、鳥居が現れる。
阪神タイガース優勝祈願の鳥居である。
この三番街の南側の路地を通して別の大鳥居が見える。
尼崎えびす神社の鳥居である。
提灯も登場である。
垂れ幕も賑やかである。
この商店街は西の出屋敷駅の近くまで続く。
そして、終点の手前で、南北の商店街三和本通商店街と交差する。
合わせて2kmにも及ぶ第アーケードである。
昔からの中華そば屋があると聞いていたので、探してみる。
商店街を駅に戻る方向で路地を見ながら進む。
駅に近い信号のある交差点の北側にその店を見つけた。
大貫本店と云う。
京都の老舗のラーメンチェーンと並んでいるところが面白い。
100年以上も前からの店である。
入店してみる。
通路の両側にテーブル席だけの店である。
メニューは、中華そばと焼きめし、そしてその組み合わせ。
一品料理も若干ある。
中華そば単品を注文し、暫く待つことになった。
大きなチャーシューと天然ものであろうキクラゲがしっかりと乗っている。
あとはメンマと若干のネギである。
先ずはスープから…。
濃厚なように見えるが、意外とサッパリとしている。
このスープ、大正元年の創業より毎日継ぎ足されてきた熟成醤油ダレとのことである。
次は麺、自家製の足踏みたまご麺とのことで、ツヤツヤで硬くなく柔らかくなく、スルリと頂ける麺である。
チャーシューは、豚バラの煮豚とのことで、柔らかく味わうことができる。
トータルでは、可もなく不可もなく、伝統の中華そばを美味しく頂いたことになったのである。
尚、蛇足であるが、日本の中華そばは明治43年の浅草「来々軒」が始まりとされている。
豚骨鶏ガラスープに濃い口の醤油で味付けしたものであった。
この中華そばに感激した大貫本店の創業者が、2年後に神戸の居留地で開店したのが始まりとされている。
そして現在はその創業者の孫が、この「中華そば」を継承しているとのことである。
100年以上の伝統を頂き、満足して店を後にしたのであった。