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 大阪ミナミには、各社鉄道線の難波(なんば)駅がある。
 これらの難波駅を乗換駅として利用することは比較的多い。
 南海電車、地下鉄、近鉄、阪神、それに地下鉄の御堂筋線と千日前線、少し離れるがJRの難波駅と高速バスの乗り換えが利用できる。
 今回、地下鉄を降りて南海電車に乗り換えるところで丁度昼となったので、何か目新しい物は無いかと思い、少し探してみた。
 かつての難波には、駅の南にプロ野球の南海ホークスの球場があったが今は無く、市街地も大幅に改造されている。
 南海電車の駅ビルとその南側周辺に、なんばパークス、なんばシティなどの大形のショッピングタウンが形成され、歩いて見ると綺麗に設えられた商店街となっているのが分る。
 JRAのウインズの近くで「CO軒」と云う店を見つけた。
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 大阪のちゃんぽんのルーツの店である。創業者は今から60年近くも前に長崎から出てきて、ちゃんぽんを関西に紹介したのが始まりとのことである。
 この「CO軒」大阪には沢山のチェーン店があり良く目にするが、今までどの店にも入ったことは無かったので、この機会に元祖ちゃんぽんを頂いてみようと店に入った。
 昼時であるのに席は6割ぐらいの詰まり様である。
 テーブル席に案内され、メニューを眺めることから始めた。
 成る程、成る程、世間相場よりは少々高めである。
 これなら、満員とはならないことが良くわかる。
 注文は基本のちゃんぽんとした。
 他にもちゃんぽんの変わり種や皿うどん、それに組み合わせ定食もあるが、やはり基本を先ずは食べてみないと…、である。
 5分程待っただろうか、ちゃんぽんが出てきた。
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 元祖と云え、特に特別なものではない。
 いわゆる長崎風のちゃんぽんである。
 具はお決まりの、豚肉、キャベツ、玉葱、蒲鉾、木耳、もやし、イカゲソ等々…、それに中央に生卵が彩りを添えている。
 スープは豚骨の白、それぞれに期待が膨らむ。
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 先ずはスープを一口、豚骨ではあるがアッサリである。
 最近はラーメンの場合であるが、豚骨や博多、長浜ラーメンと云っても、色んな味の脚色をしている物が見受けられる。
 個人の好みであるので、それを好む客をピンポイントで捉えるのであろう。
 しかし、混ぜ物のない基本となるスープは万人受けすることは間違いがない。
 やはり元祖の元祖たる由縁であると思われる。
 次は具、これも油炒めのネトネト感は無い。
 恐らくは価格に見合う油を使っているのであろうと思われる。
 続いて麺である。
 他のちゃんぽんよりは若干細い。
 長浜ラーメンにの細麺よりは太い、中細くらいの麺である。
 太い麺はもちもち感が出るので、チャンポンという食べ物であるとの主張があるが、当初のちゃんぽんはこのようであったとの伝承が伝わって来るような気がする。
 何やかや思いながらではあるが、スッキリした味わいのちゃんぽんを頂き、完食したのであった。
 さて、難波の南側の地域には何か名所は無いかと考えてみた。
 確か駅の南西側にはもうすぐ大相撲春場所を迎える大阪府立体育館があった筈である。
 そこへの行き方が分からないので、近くにいたガードマンの方に聞いて見た。
 わざわざ広い通りまで出て、信号一つを向こうに越えた辺りにあると、懇切丁寧に教えてくれた。
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 ネーミングライツと云うのか、「BODYMAKERコロシアム」と名前が付けられている。
 もうすぐ大相撲春場所と云うのに、それなりの飾りは見られない。
 良く見ると、正面の柱に木札が掲げられていた。
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 木札には「蒙御免(ごめんこうむる) 平成二七年・・・・・」と書かれている。
 御免蒙るとは、公に認められた興行であることを示しているのだそうで、番付表にも書かれている。
 もっと上部を見ると、上の方のベランダに触れ太鼓の櫓らしきものが設えられているのが見えた。
 しかしこれらのものはどれもささやかなものである。
 それもその筈である。
 体育館に掲示されている日程表を見てみると、大相撲までに幾つかの別のイベントが予定されていることから、納得した次第である。