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かつて隆盛を誇った京都の商店街の中で、気になっていたのは西陣の商店街である。
西陣の商店街は、千本通に沿って、北は今出川通、南は丸太町通の間にある。
この商店街とその周辺を、探訪してみようと、市バスを利用し、千本今出川バス停で下車した。
この交差点から南へ向かうことにする。
交差点にあった地図である。(北は左方向)
千本通はかつての平安京の朱雀大路である。
この辺りは平安京の宮殿があったところの北にあたる所である。
この位置から北には平安京の守護神で北を護る玄武である船岡山がある。
先ずは南へと千本通を歩く。
アーケードも庇も無い商店街である。
先ずは北側の西陣千本商店街である。
千本座は、日本の草分けの映画監督牧野省三氏が本邦で初めての劇場映画「本能寺合戦」を上映した日本映画の発祥地であり、この辺りは西陣京極と呼ばれた京都では一大の歓楽街であったところである。
また西陣とは、室町時代の全国を2分した応仁の乱にて、西軍の大将の山名宗全の屋敷があり、軍の司令部となったことから西陣と呼称されるようになったものである。
西陣は、西陣織の産地として知られているところでもある。
当時は多くの職人がいて、その楽しみとして映画館やら娯楽施設、はたまた後に訪れる遊郭・花街が栄えたのは、その背景によるものである。
少し下がると、中立売通と交差する。
この中立売通り西行きはアーケード庇の商店街「北野商店街」となっている。
この商店街は斜め右へと曲がり、一条通に合流して北野天満宮の参道である御前通へと繋がっている。
それは水上勉の小説で知られる五番町である。
五番町の中央付近に「千本日活」と云う映画館がある。
ロマンポルノの映画館である。
そして周辺には、かつての遊郭を構成していたと思われる建物もある。
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幾つかの建物を見て、千本通へと戻った。
この辺りから南は「千本商店街 朱雀大路の街」である。
昼食処を探していると、上手い具合にB級グルメのどんぶり点「ON亭」というのが見つかった。
各種のどんぶりが食べられるようである。
早速入ってみた。
しかし奥に座敷があるのかどうかは分からない。
メニューを見ると、10種類以上の丼が並んでいる。
他にもうどんややきぞば、そして定食もある。
迷った挙句に「和牛スタミナ丼」を注文したのであった。
理由は簡単である。
海外産の牛丼は、SK家やYN家で良く食べるが、和牛の丼は、淡路島で食べて以降ご無沙汰であったからである。
5分ぐらい待って、牛丼が出てきた。
牛肉と玉ねぎを炒め、オイスターソースとブラックペッパーでの味付けである。
黄身を混ぜて、さあ頂いてみよう。
味付けは濃厚である。
しかし牛肉は脂身も適当に混ざっているので、柔らかい。
玉ねぎもシャキシャキとしている。
これで値段がワンコインにプラス10%である。
B級グルメにはとてもふさわしい料理である。
得した気分となって、千本通の探索を終了したのであった。