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 神戸市中央区のJR三ノ宮駅で下車、昼食を兼ねて付近を探索してみる。
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 JR三ノ宮駅には、阪急電車、阪神電車、神戸市地下鉄、ポートライナーの駅が隣接しているが、これらは全て「三宮」と云う駅名で、「ノ」が無い。
 この辺りは、かつては駅の北にある生田神社の社領で、生田神社を囲むように一宮から八宮まで祀られている。
 これを生田裔神八社と云い、その三宮に由来する地域である。
 なぜJRだけが三ノ宮と云うのであろうか?
 それは、JRの駅が最も開業が早く、読み違えをなくするために敢えて「ノ」の文字を入れたとされている。
 尚、当時の駅の位置は現在の元町駅のあたりで、三宮神社の北側であった。
 先ずは、生田神社に参拝してみる。
 駅前を北へと辿ると、程なく生田神社の社頭に到達する。
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 社号柱である。
 石柱には、「官幣中社 生田神社」と記されている。
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 そして二ノ鳥居を潜る。

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 その先は見事な楼門である。

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 そして一段と高い所に拝殿である。

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 生田神社の由緒であるが、古代、神功皇后が三韓征伐の帰路、この沖で船が進まなくなったことがある。

 神占を行ったところ、稚日女尊(わかひるめのみこと)が現れ、「私は活田長狭国に居りたい」とのことから、現在の神社の奥の砂山(いさごやま)に祀ったものとされている。
 そして洪水の危険から、ご神体を移すことになり、現地に遷座したとされている。
 拝殿の背後には祭神「稚日女尊」が祀られている本殿が祀られている。
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 この神社を護るために朝廷より神戸(かんべ)44戸を頂き、それが神戸の地名となったとされている。

 この生田神社が祀られているところは「生田の森」と云われる。
 本殿の背後にその森が護られている。
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 そして森の中には生田森坐宮が祀られている。

 祭神は神功皇后である。
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 また本殿の西には生田の池がある。

 その池の小島に、生田弁財天 市杵島神社が祀られている。 
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 その他、蛭子神社や稲荷神社など、多くの境内社が祀られている生田神社である。
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 神社を後に、南へと下がり、電車の高架橋を潜り、昼食へと向かう。
 道路の向こうにセンタープラザがある。
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 その地下が食堂街となっている。

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 予め調べておいた「K屋」という店へと向かう。

 幸いなことに行列は無く、カウンターの一席だけが空いていた。
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 名物はすじ玉丼である。

 神戸では「ぼっかけ」という具材が知られる。
 ぼっかけは、牛すじとこんにゃくであるが、こんにゃくがない牛すじのみを玉子でとじた丼である。
 メニューには、その他にもカレー丼やオムライスなどもある。
 ここはすじ玉丼を注文して、暫く待つことになった。
 10分近く待って、すじ玉丼が出てきた。
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 味噌汁付きである。

 玉子でとじた牛すじの上に大量の青ネギがのっている。
 さあ頂いてみよう。
 一般に牛すじと云うと、硬い部分もあり、結構食べるのに苦労する場合があるが、この牛すじは、柔らかくそして出汁がしみ込んでいて、食べやすい。
 牛丼よりも柔らかく、臭みもなく、脂っこさも感じない。
 青ネギの方が硬いほどである。
 聞いてみると、牛すじの素材づくりの前工程に苦労されているようである。
 最初は十分に煮込んで、灰汁取をしながらその柔らかさを確認するそうである。
 そして秘伝の醤油で煮込み、一晩寝かせ、出汁を細部までしみ込ませるとのことである。
 
 それなら美味いはずである。
 玉子との相性も良く、一気に完食となったのであった。