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近鉄吉野線は橿原神宮前から南へと向かい、終点の吉野神宮へと向かう路線である。
 橿原神宮前を出ると、「岡寺」、「飛鳥」、「壺阪山」と、名所豊富な橿原市、明日香村、高取町を通り抜ける線区である。
 今回は飛鳥駅で下車し、観光明日香の西部を探索することにした。
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 飛鳥駅前の広場を東へ進むと高取川を渡り、国道169号線を北へと進み少し行くと、右斜めの住宅街の中へ入る街中の道がある。

 この道を少し北上すると、右手に欽明天皇陵の参道入り口がある。
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 参道を登り、そして下るが、正面に天皇陵の拝所が見えてくる。

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 欽明天皇陵は西向きの前方後円墳であるが、その前方部に拝所が設けられている。

 右横へと回り込んで、前方部の周濠を眺めてみるが、拝所の先に土橋が架けられ周濠は半分しか見えない。
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 周濠に沿って古墳の周りを歩いてみる。
 前方部と後円部の接合点あたりに造り出しがあり、その周辺で白鷺が優美な姿を見せているのが特徴的である。
 尚、造り出しの機能については諸説あるが、祭祀の場所であったのではないかと云う説が有力である。
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 更に進むと後円部に到達する。

 後円部にも土橋が架けられていて、周濠が分割されている。
 そして北側の周濠は空堀となっている。
 後円部の外堤には、季節柄さくらの花が綺麗である。
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 古墳を離れて更に東へと進む。

 先ほど駅前で見た案内図によると、見学ポイントである鬼の俎(まないた)・鬼の雪隠(せっちん、トイレ)がある筈である。
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 しばらく歩くと、山の斜面にそれらしき雰囲気がある。

 右下に鬼の雪隠、その上の林の中に鬼の俎がありそうである。
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 遠目には見えていたが、近づいてみるとやはり雪隠であった。
 2mも無い角型の内部が削られた石で、古墳の蓋石とのことである。
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 この場所から道路を挟んで山側に登ると、そこには鬼の俎がある。

 俎は古墳の底石とのことである。
 元々は一体ものであったと考えられるが、土盛りも無くなり、何らかの自然現象で分離したものと考えられる。
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 尚、伝承によると、霧ヶ峰とと呼ばれるこの一帯にはに鬼が棲み、通行人に霧を降らせ、迷ったところを捕らえて「俎」の上で料理し、「雪隠」で用を足したとのことである。

 そして、この古墳は、欽明天皇陵の陪塚(ばいちょう)とされている。
 
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 古代の探索はここで終了し、元の飛鳥駅へと戻る方向である。
 途中で北側に欽明天皇陵の全景が見える。(右が後円部)
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 飛鳥駅まで戻った。
 丁度昼時である。
 昼食処を探してみよう。
 駅のロータリーの外郭にお好み焼きのような店、麺類のような店があった。
 店の名は「与左衛門」と云う。

 

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 この店の店頭メニューを見てみると、「特大きつねうどん」と云うのがあった。
 恐らくは揚げが大きいのであろう。しかしどれくらいの大きさであるのか、想像がつかない。
 とりあえず入ってみて、体感してみよう。
 店の中には待ち客がいた。
 しばらく並んでいると、カウンターが空いたので、落ち着くことができた。
 さて、注文である。
 ここは迷うことなく「特大きつねうどん」である。
 料理が出るまでには10分以上なのか、かなりの時間が掛かった。 
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 揚げの大きさを見てびっくりした。
 麺鉢の長面が揚げで覆われている。
 このような体裁のきつねうどんは初めてである。
 さあ、頂いてみよう。
 先ずは揚げ、結構厚い。
 噛みちぎりながら頂くばかりである。
 うどん麺、柔らかい関西風の麺である。
 そして出汁、これも関西風で、旨い出汁である。
 しかし、揚げのボリュームには閉口した。
 うどんと云うより、揚げ料理を食べている感じである。
 こんな料理もあるんだ、と感慨を新たにし、駅へと戻ったのであった。