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 千葉県の房総半島の先端の館山市は、東京からは遠く、また途中下車で探索するような通り道でもないので、ついぞ行く機会がなかった。
 今回、千葉まで行く機会があったので、思い切って館山まで足を延ばしてみたのであった。
内房線の館山駅が市の中心駅である。
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この駅で下車し、後はバス便にて、諸所へ向かうこととなる。

 房総半島の先端部は、鳥の頭の部分に似ている。
鳥の頭を上下逆にして、首の部分が館山駅、西へ向いてとがった嘴の部分が洲崎(すのさき)の灯台と洲崎神社、目に当たる部分が安房(あわ)一之宮の安房神社の鎮座地、そして頭のテッペンが半島の南端部にあたる野島崎灯台である。
 洲崎や安房神社は館山駅からは遠いが、上手い具合にJR関東のバス便があるので、これを利用することにする。
 先ずは嘴の先端である洲崎へ向かうバスに乗車する。
バスは街中を過ぎると、自衛隊の航空基地の前を通り、それを過ぎると海岸線の見え隠れを繰り返し、30分ほどで洲崎灯台のバス停に到着、下車した。
 灯台まで歩いても良いのだが、往復には時間が掛かりそうなので、バス停から眺めるだけにした。
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 そして、歩いて隣バス停の洲崎神社へ向かった。
 洲崎神社は安房国一之宮である。
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一ノ鳥居、随身門の先には長い石段がある。厄祓坂と云い、148段の石段である。
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やっとのことで昇り詰めると、拝本殿に到着する。
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本殿の祭神は天比理乃咩命(あまのひりのめのみこと)で、もう一つの一之宮安房神社の祭神の天太玉命(あめのふとだまのみこと)の后神である。
この天太玉命と孫神である天富命(あめのとみのみこと)が合祀されているとのことでもある。

 境内に霊峰富士遥拝所と云う矢印があったので行ってみた。
曇り空ではあったが、なんとか富士山の姿を確認できた次第である。
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 お参りを終了し、次は安房神社へ向かうことにした。
 安房神社の方へ向かうバスがあるようなので、暫く待って乗り込んだ。
バスは順調に東に向いて房総フラワーラインを走る。
しかし、ある程度来たところでバスは終点となった。「南房パラダイス」というバス停である。
そこからバスは無いとのこと。
 安房神社までは、まだ4つ位のバス停がある。
聞いてみるとタクシーを呼んでも配車に30分位はかかるとのこと。
仕方がないので、歩くことに決定した。
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 直線道路は遠く感じるものである。
前方付き当たりの森が神社の辺りと分かっているが、中々近付かない。
 やとのことで、神社周りの集落に到着した。
家々の間を抜け、待望の安房神社の一ノ鳥居に到着したのであった。

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先ほどの洲崎神社は参拝者ゼロであったが、こちらは賑やかである。
車も沢山止まっている。

 綺麗な参道を抜け、二ノ鳥居を潜り、いよいよ参拝である。
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境内の整備が行き届いて気持ちの良い神社である。

 こちらの一之宮安房神社は、上の宮、下の宮と別けられている。
上の宮の祭神は、天太玉命(あめのふとだまのみこと)である。
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また下の宮の祭神は、天富命(あめのとみのみこと)である。
天富命は四国の阿波国忌部族の一部を率いてここ安房の国に至り、安房の国を開拓した国造りの神と云われている。

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 無事お参りを済ませ、館山まで戻ることにする。
神社前からは駅行きのバスがあるので、それに乗り込み、駅に着くのを待つばかりとなった。
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 駅に戻ったところで、丁度昼時である。
さて、食事をと思ったところ、まず目についたのは「くじら弁当」の張り紙である。珍しいものがあるものである。
値段も駅弁レベルで、高価と云うわけではない。
早速買い求めて、食べる場所を探した。

ベンチや待合は見つからない。
仕方がないので、改札を通り、ホームのベンチで食べることにした。
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 ふたを開けてみると、半分は鯨の大和煮、半分は鯨のそぼろ煮、そして玉子のそぼろと紅ショウガで両者を仕切っている。
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 先ずは大和煮から…。
堅いイメージがあったがそうではない。かなり柔らかく仕上がっている。
鯨は匂いや癖のある味が普通であるが、それも無い。
すんなりと食べられる味である。
 一方、そぼろの方は味噌で煮込んだような味で、これは結構味付があり、美味い。
ご飯との相性抜群である。3種類のトッピングとご飯を頂きながら、完食したのであった。
それにしても鯨の量が多く、これで2コインとは、かなり安いのではと思った次第である。

 そしてやってきた上り電車に乗り、君津方面へ向かったのであった。