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 阪神電車に乗って、神戸の中心駅である三宮の手前の灘区の「岩屋駅」で途中下車した。
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 この駅の南には、神戸で最も古い神社と云われる「敏馬(みぬめ)神社」が鎮座していることで知られている。
この神社は、生田神社、長田神社と並ぶ神戸の3大神社で、創建の由緒は神功皇后に関わるものである。

神功皇后が三韓征伐に向かう時、摂津の神前松原で神集いをしたと云われる。
その時にやってきていた能勢の美奴売(みぬめ)山の神が、
「わが山にある杉の木を切り、船を造りて新羅へ行かれるなら、幸いするところあり」
と云い、皇后はその通りに木を伐り造船して新羅に向かった。

 そして皇后は大勝利を収め、凱旋の帰路に就いたが、この敏馬浦までやってきたところ、船が動かなくなったので、美奴売の神をこの地に祀り、船も献上したのがこの神社の創建と云われている。
 尚、「みぬめ」は弥都波能売神(みずはのめのかみ)の名より転じたものと云われている。
 古代には、この辺りは海岸線であった。
敏馬浦と云う。
神社の地は岬で、西は脇浜村、東は岩屋村、味泥村、大石村と云い、今でもその名が引き継がれている。
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敏馬神社は、岩屋駅の南近くにある。
駅から南へ行き、路地に入ると神社の杜がある。
西の参道があり、標柱も建てられている。
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 そのままもう少し南へ下がって行くと国道2号線となるが、それを東へ行った所が正面の社頭である。
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 鳥居を潜ると、右手の参道石段の脇に万葉歌人の柿本人麻呂の歌碑が建てられている。
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歌は、
「珠藻(たまも)刈る 敏馬をすぎて 夏草の 野島の埼に 舟近づきぬ」
である。

 石段参道を登ると境内である。
拝殿本殿が祀られている。
  本殿の現在の祭神は、素戔嗚命、天照皇大神、熊野坐大神となっている
創建当時の祭神は弥都波能売神(みずはのめのかみ)で、現在は、瑞垣の下の境内社である水神社に祀られている。
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 境内から海の方向に多くの万葉歌の歌碑が建てられている。
万葉ではないが、藤原定家や賀茂真淵などの歌もある。
 この神社の鎮座する敏馬浦は神戸で最初に開かれた港で、海外から戻り瀬戸内を航海し、この港に留まり、大坂湾の向うの生駒山を眺めたと云われる。
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 さて、三宮へ戻り所用であるが、その前に昼食を済ませておこう。
 三宮では、いろんな店で昼食を頂いたが、気になっていた店がある。
JR駅の東にある「KBラーメン」という屋号の店である。
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 店の前まで行くと、「KBラーメン 第一旭」となっている。
第一旭は京都発祥のラーメン店であるが、そこの店員達が独立し、割と自由に店を造り構えていると聞いたことがある。
その店舗の一つであろうか。
とにかく入ってみることにした。
 店構えはテラス風で、観葉植物も配され、神戸にふさわしいしつらえである。
内部も植物付のゆったりで、50席くらいの席があろうかと思われる。
 中央の大カウンターに座り、さて注文である。
 メニューは、Aラーメン、Bラーメン、塩ラーメンとそのセットがある。
このような場合は、一番ベーシックなものと決めているので、Aラーメンを注文したのであった。
 暫くしてAラーメンが出てきた。
醤油ラーメンである。
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Aラーメンとは、チャーシューが入らないラーメンである。

 トッピングはメンマとモヤシそれに刻み葱である。
スープは醤油色が濃い。
 さあ頂いてみよう。
麺は細麺のストレート、スープが絡んで丁度良い味である。
モヤシはシャキシャキである。一服の清涼剤となる。
 京都の第一旭を思い出させるが、それよりも醤油味である。
チャーシューが無くても、結構美味い味わいである。

醤油味と麺を堪能した一杯のラーメンであり、満足して店を後にしたのであった。