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 奈良の古色豊かな飛鳥に行ってみようと、近鉄電車に乗って橿原神宮前駅に来た。
駅を降りるとここからはバス便かレンタサイクルになる。
 バスがあればその方が楽なのでバス停を覗いて見ることにした。
すると上手い具合に飛鳥方面のバスが停まっていた。
急いで乗車した。すると直ぐに発車、ラッキーであった。
 飛鳥には長いこと来ていない。
沿線の風景はあまり変わっていなく、また道路も狭い。
しかし、甘樫丘付近からは広い道路ができ、縦横に交差している。
 バスの降りる場所が分からないが、明日香村の狭い道に入る前に降りて、それからは徒歩でと思っていた。
バスは「飛鳥資料館前」というバス停でUターンして、村中に入って行くようであるので、思い切ってそこで降りてみた。
 向かいに資料館があるレストハウスの正面がバス停であった。
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そのレストハウスは「TG堂」と云う。

 何やら聞いたことがある名前である。
表の暖簾には「吉野本葛の老舗 TG堂」と染め抜かれている。
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丁度昼時なのでレストランがあれば昼飯をと思い店に入ってみた。
1階はお土産物の販売所である。
2階へ上がる階段の登り口の横に食事メニューが掲示されている。
うどんや丼があるようなので、2階へ上がってみた。

 広い店である。
しかし、客は1組だけ。
オフシーズンはこのようなものなのであろう。
 テーブルに座り、メニューを見てみる。
葛のランチもいくつかあるが、以前吉野へ行ったときに頂いたので、今回はそれを外して、今までに食べたことが無いものを探した。
結果、とろろご飯とのことで「ゆき姫丼」を選び、注文したのであった。
 待っている間に能書きを読んでみる。
とろろとおろし大根を混ぜて蒸しあげ、あつあつご飯の上に乗せ、具はオクラ、シメジ、レンコンとして、最後に葛餡を掛けた丼とされている。
 10分ほど待って、料理が出されたのであった。
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スープと香の物付きで、葛餡は別添である。

 さあ、頂いてみよう。
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 日頃、ラーメンやカツ丼などを食べ慣れている口には、手応えがない。
動物性タンパク質は皆無の食べ物である。
ヘルシーとの触れ込みであるが、炭水化物はヘルシー食品なのであろうか?
 特段の味は感じない料理であるが、スープがあるので、それで味のバランス修正ができる。
日頃に無い爽やかな風味にて、昼ご飯を完食した次第であった。
 さて、食事の後は近場の飛鳥坐神社へ向かうことにする。
「TG堂」から見える鳥形山の向う側に参道入り口がある筈なので、そこに向かって歩いてみる。
 10分位掛かって、入り口へとたどり着いた。
 神社社名標柱、鳥居がある。
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 鳥居の脇に飛鳥井という古代より涌出る井戸が祀られている。
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 平安時代の歌集「催馬楽(さいばら)」に、
「飛鳥井に 宿りはすべし をけかけもよし 御水もよし 御秣もよし」
と歌われている。
 参道石段を登り詰めたところの右手が神楽殿である。
奇祭「おんだ祭り」の舞台である。
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 左手は拝殿本殿である。
祭神は事代主神、高皇産靈神、飛鳥神奈備三日女神、大物主神である。
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飛鳥坐神社は古代創建の式内社名神大社である。
江戸時代には、高取城に入った高取藩初代藩主の植村家政により、高取城の鬼門に当たる神社として深く信仰したと云われる。

 その後、村の火災の類焼により焼失したが、再建された。

そして、近年老朽化により今から15年前、吉野の丹生川上神社の上社の移築に伴い旧社殿を譲り請けたのが現在の社殿となっている。

境内を巡ってみると、数多くの境内社が見られる。

八百万の神が集合している神社である。

 その中に、飛鳥山口神社が祀られている。
大山津見命、久久乃之知命、猿田彦命を祀る神社で、この神社も式内社である。