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 大学の学食にも変わったメニューがある。
先日、京都市内の鴨川に近いある大学に用があったついでに、昼飯を近場で済ますそうと学食に行ってみた。
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 入口のショーケースに写真メニューが並べられている。
学食のシステムは、先ずメニューを決めたら、メニューに合うカウンターに並んで料理を注文することなっている。
 そのメニューであるが、うどん、蕎麦などは駅の立ち食いうどんに負けないくらいに安い。
また、丼やカレーなどのごはんもの、一品料理なども安い。
メニューを見ているだけで得した気分になるものである。
そして大抵の場合ワンコインでお釣りが来る安さである。
 ショーケースには無かったが、立て看板に面白い名前のものを発見した。まぐろ兄弟丼」とある。
大学の学食連合体のそれぞれで開発したものを、順番に出しているような能書きがあり、これはある大学由来のものである。
写真を見ると、大きなカツに刻みのりである。
こういう機会に出会うことはまずないので、入店し丼の列に並んだのであった。
 順番が来たので、口頭で注文する。
調理場の中の料理人の手際は極めてよい。学食であるので、早ければ早いほど良い。
30秒ほどで、丼が渡されたのであった。
 味噌汁も別のカウンターで貰い、レジへ。
さあ頂いてみよう。
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 先ずは大きなカツから…。
ミンチカツのようであるが、中身は白い。
マグロのミンチであろうか? ふわふわして柔らかい。
残念なことに味は余りない。極めてアッサリである。
 カツと海苔をめくって見るとその下にはシーチキンが乗せられている。
なるほどなるほど、カツとシーチキンで兄弟なのか…。
納得した次第である。
 しかし、シーチキンもアッサリ味である。
実はマヨネーズのミニパックが添えられているのであるが、マヨネーズは嫌いなので掛けてはいない。
その分、無味乾燥になったのであろうが、自業自得である。
 極めてアッサリ味の兄弟丼を完食したのであった。
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 その後用を済まし、大学の近辺を探索してみた。
少し南へ行くと、今なお現役の発電所がある。
 京都の通り名の数え歌に「丸竹夷二押御池、姉三六角蛸錦、…」と云うのがある。
その「夷(えびす)」の夷川通りにある発電所である。
しかし現在は夷川通りは無く、冷泉家の屋敷があったことからその通りは冷泉通りと云われる。
 それはともかくとして、明治の京都の復興・興隆策の一つとして琵琶湖疏水が、当時の知事北垣国道氏と若き技術者田邊朔郎氏の連携により開削された。
疏水の開削目的は京都市内の生活用水などの水利の便に供するものであるが、水路の落差を活用する発電所も建設され、夷川発電所もその一つである。
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更にその発電した電力を利用して日本初の市電を走らせたことでも良く知られる。

 この発電所、現在の保有者は関西電力㈱である。
最大出力は認可300KWで、当初の米国製に代えて国産機で発電を行っている。
同じ関電の北アルプスの黒四ダムに比べては、1000分の1ほどの電力であるが、歴史を物語る立派な発電所である。
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疏水とともに建設された発電所には他に、蹴上発電所、伏見の墨染発電所があり、今なお稼働している。

 夷川の貯水池である船溜まりには、当時の知事北垣氏の像が建てられている。
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 また放水路を西へ行った川端通りには、技術者田邊氏を記念して田邊橋と云うのが架けられている。

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余談であるが、歴史を平安時代まで遡ると、「鴨川の水、双六の賽、山法師、是ぞわが心にかなわぬもの」と言わしめた有名な白河上皇が院政を執り行った場所である御殿の南殿がこの場所に有ったとの標柱も建てられている。

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