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 「鰻のかば焼き重」ならぬ「豚のかば焼き重」という食べ物がある。
鰻のかば焼きのタレをベースに、さらにその中にその鰻の骨を入れてかば焼きのタレとして、豚のバラ肉を鰻のかば焼きの様に焼き、ご飯の上に乗せる料理である。
 この豚かば重、岡山市の「KBKR」という店の料理である。
岡山駅の構内にこの店の支店、テイクアウト専門の店があるので、途中下車したついでに寄ってみた。
 岡山駅の改札口を出て通路を挟んだところにあるショッピングゾーンの奥にある。
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ショーケースを眺めると、ぶたかば重の1枚乗せ、2枚乗せを基本として、月見やチーズ乗せなどのトッピングバリエーションがある。

 あれこれ考えてもしようがないので、こういう場合の決まりである基本の一枚乗せを注文した。
「山椒にしますか? マヨネーズにしますか?」
振り掛けのようである。
マヨは嫌なので鰻の場合の様に山椒にした。
 そして2、3分待った。
テイクアウト用のレジ袋に入った豚かば重パックが手渡されたのであった。
 さてどうしようか?
電車内に持ち込もうか? と思ったが、フロアの真ん中に休憩スペースのようなものを見つけた。
食事も問題なさそうである。
早速席に着いて、頂くことになった。
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 豚のかば焼きは色と云い艶と云い、鰻のかば焼きに似ている。
そして食べやすいように適当な幅で包丁が入れられている。
添え物に玉子焼きが、アクセントになっている。
 味はと云えば、やはり豚肉の味である。
豚のかば焼きというのは殆ど未経験であるが、少々甘ったるい味で、抵抗なく食べることができる。
鰻のように柔らかくとは行かないが、食べ応えと云う点では、チキンの照り焼きに似たような感じである。
と、何のかんのと言いながら美味しく完食したのであった。
 店に戻って、店員嬢に聞いてみた。
店の名前のことである。
その結果、開店当時には「ユニクロ」に見られるように「・・クロ」と云うのが流行りだったそうなので、かば焼きの「かば」に「くろ」をつけたとのことであった。
 「美味しかったです」と、店を後にしたのであった。
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 岡山駅からローカルの吉備線が出ている。
備前一宮、吉備津、そして水攻めの高松城跡がある備中高松を通り総社に向かう線区である。
 ついでであるから、備中国の一宮である吉備津神社を訪れてみようとディーゼル車に乗ったのであった。
4つ目が吉備津駅である。
神社は駅の南側の中山山麓に鎮座している。
下車して神社参道へと向かう。
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 鳥居を潜り、長い松並木を歩いて行くと神社入口の石段に到着する。
石段の左手前に、吉備津彦命(桃太郎)が温羅(鬼)との戦の時に矢を置いたと云う「矢置石」祀られている。
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 石段を登る。
重要文化財の北随身門を潜り更に登ると拝殿に到着する。
お参りを済ませ横の広い場所の高台に出ると、立派な国宝の本殿が眺められる。
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現在のものは、室町時代に足利義満によって再建された比翼入母屋造りという様式である。

周辺には幾つかの境内社が鎮座する。
少し回って一旦下に降り、今度は南からの長い回廊を登り、元の拝殿の場所までと、一周したのであった。
 尚、吉備津神社は元々は吉備国の一宮であった。
吉備国は古代、我が国の中心的存在であったが、その力を恐れる大和朝廷により3国に分割された。
備前、備中、備後である。
さらに備中北部を美作として正確には4国に分割されたのであった。その結果、吉備津神社は備中国一宮となり、備前には吉備津彦神社、備後には福山市に吉備津神社が
分霊勧請されたとの経緯を辿っている。