1
 神戸市兵庫区の湊川公園駅まで来たので、その上部にある湊川公園を探索してみた。
 湊川公園は天井川であった旧湊川の流路変更を行った後に、川底を堤防の高さまで埋め立て造られた台地となっている。
イメージ 1

高台である分、神戸の主要道路である山手幹線は、この公園の下部をトンネルで潜っている。

イメージ 5
 湊川と云えば、後醍醐天皇の建武の新政の政府軍である楠木正成、新田義貞連合軍と、新政を良しとしない足利高氏(のちには尊氏)軍との激しい戦いが行われた場所である。
高氏は、一旦九州まで落ち延びていたが、そこで軍隊を整え、神戸の地まで上ってきたのであった。
 それを阻止しようとして、政府軍が待ち構えていて戦となった。
この戦の結果、正成が敗れ自害し、高氏が京に上り北朝を称して、南北朝の時代を招くことになったのであるが…。
湊川公園には「大楠公」即ち「楠木正成公」の像が建てられている。
イメージ 2
 また公園には大正時代の末、神戸タワーという標高100mのオベリスク風の塔が建てられた。
新開地タワーとも云われていたそうである。
 当時は東洋一の高さで、東京浅草の凌雲閣、大阪の通天閣と並び、日本の三大望楼とも云われた。
この塔から、晴れた日には紀淡海峡を望むことが出来たと云われる。
 現在はその跡地に高さ僅か8mのカリヨン時計塔が建てられている。
イメージ 3
 公園の西側には神戸市立楠高校と云う定時性の高校がある。
イメージ 4
 昼間仕事をし、大楠公に負けじと駆け付けて頑張っている生徒の姿が見えてくるような学校である。
 公園を一周した後は昼食である。
 この辺りは全く土地勘が無いので行き当たりばったりでどこかに、食事処があればよいと、探してみることにした。
公園に沿って東側に商店街があるので、下から歩いてみるが、これはという店は見付けられない。
 公園に沿った商店街を歩き切って、公園の北側の商店街の通りへと坂を上がってみる。
そこにはミナイチという市場の様な集合商店街があった。
イメージ 6

入口からチラ見すると、屋台風のうどんの店が見えた。

                 2
 これは入ってみる価値ありとの判断で入ってみた。
すると、うどん屋さんの向い側に焼きそばの店があった。
メニューを見てみると、スジコン焼きそばのメニューがあった。
神戸付近のソウルフードの「ぼっかけ」「スジコン」に、またまた出会うことが出来たのであった。
「これこれ」、直ぐにその店のカウンターに座った。
座って店の名前を見てみると「焼きそばHZ」である。
イメージ 7
 さっそくスジコン焼きそばを注文したのであった。
 料理を待つ間、周囲を眺めてみる。
この焼きそば屋台風の向こう隣にラーメン屋があった。
 焼きそばは次々と出来ているが、どこかに運んでいるようである。
食べ終わってから周囲を歩いて見て分かったのであるが、テーブル席が幾つかあるコーナーがあった。
フードコートである。
グループなどで来た場合は、そこに座って好きなものが注文できる仕掛けとなっている。
 これらの店はグループで「職人街道」と名付けられている。
うどん職人、焼そば職人、ラーメン職人、珈琲職人の4店だそうである。
 と、あれこれ思っている内にスジコン焼きそばが出てきた。
イメージ 8
さて、スジコンが焼きそばに混ぜられるとどうなるのであろうか?
さあ、頂いてみよう。
 麺に絡んでいるソースは、こってりではない。
若干の味付け程度である。
 その分、スジコンの味わいも、ネギの香りも、そしてモヤシの食感まで伝わってくる。
あっさり焼きそばで、美味い。
腹が減っていたこともあって、瞬く間に完食したのであった。今までにスジコンぼっかけの料理は何種類か食べている。
最初は長田の「そばめし」、そして高砂の「にくてん」、それから「ぼっかけそば」、そして「ぼっかけラーメン」、そして「ぼっかけ焼きそば」である。
それ以外にも「ぼっかけカレー」などがあるそうであるが、ぼっかけが主役であるならば、それを引き立たせる様な味付けが良い。

 私見で恐縮であるが、和風出汁に合う「ぼっかけそば」が、やはり一番であろうかと思われる。