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 京都駅のお土産と云えば、八ッ橋を起源とする餡子入りの菓子や、宇治茶をベースにした緑色のパッケージの菓子が主流を占めている。
いつもこのようなお土産ばかりであるので、たまには何か探してみようとエキ中デパートの地下食品売り場へ出かけてみた。
 行列のコーナーがあった。
並ぶ前に売り場を確認に行った。
 阿闍梨餅(あじゃりもち)などを売っているコーナーである。
 阿闍梨餅と云えば餅皮の柔らかい餡子餅である。
ずっと前に食べた記憶がある。
良い物を見つけたと思い、行列に並んだのであった。店員さんも行列には慣れている。
サクサクと販売している。

順番が回ってきた。
5個入りで包装したのが積まれているので、迷わず5個を購入したのであった。

 お土産を手にしたが、まだ時間がある。
近場なら観光ができると、歩いて行ける東寺に向かったのであった。東寺は弘法大師が創建した真言密教の寺院である。
その五重塔は日本一の高さ約55mを誇る。

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 鉄道唱歌にも、
♪東寺の塔を左にて 止まれば七条ステーション
京都京都と呼びたつる 駅夫の声も勇ましや♪
歌われた塔である。
 塔は国宝である。
その他の国宝である金堂、そして国宝大師堂を眺めたのであった。
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 もう一つ忘れている。
塔頭観智院の国宝客殿の庭である。五大の庭と云う。
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 上手い具合に拝観可能日であったので、眺めることが出来たのであった。
 東寺に満足し、ご朱印も頂いたので、阿闍梨餅を持って帰路につくことにしよう。
帰る道すがらネットで調べてみた。
 阿闍梨餅とは、江戸末期創業の超老舗「MG」のオリジナルである。
MGと云う京菓子舗は丹波大納言小豆の粒餡をそれぞれに加工した4種類の菓子しか作っていないとのことである。
 阿闍梨とは、叡山で云えば「千日回峰行」を全うした僧に与えられる称号である。
叡山山中を7年で千日間、経文を唱えながらひたすら歩くものである。
修行者は五穀と塩断ちをする。
五穀とは一般に米、麦、粟、豆、稗をいう。
 餅米や蕎麦は対象外である。
修行僧たちは、麓に帰った時には蕎麦を、回峰途中では餅を食べて飢えを凌いだと云われる。
 その餅米をベースにした皮を色付くまで焼き、粒餡を包んだ餅が阿闍梨餅である。
外形は僧が被る網代笠を模している。
中央が円形に盛り上がっている形である。
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 持ち帰った阿闍梨餅を早速頂いてみた。
皮の部分はかなり柔らかく、シットリしている。
これ程に柔らかいのは今までに経験が無い。
それでいてシッカリと皮を構成している。
 餡子はほのかに甘い餡である。
総合して、美味しい餡子菓子の一つと言える。
 この阿闍梨餅は、このMGの2代目が大正時代に考案したものとのことで、約100年の歴史を持つ菓子である。
流石に歴史ある京都の菓子との印象であった。