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 2013年のB1グランプリ受賞の福島県双葉郡浪江町の「なみえ焼きそば」を食べてみようと、JR福知山線の伊丹駅で下車した。
駅から歩道橋を渡った所にある大型ショッピングセンターの中のフードコートにある「BJ屋台」への訪問である。
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 BJ屋台では、グランプリ受賞直後からなみえ焼きそばの普及主体である「浪江焼麺太国(なみえやきそばたいこく)」に働きかけ、次の年の春に特別会員に認定されている。
従って、本物の料理が食べられることになっているのは嬉しいことである。
 以前訪問した尼崎の店にはなみえ焼きそばが無かったので、伊丹はどうかな? と心配しつつ行ってみたのであった。
恐る恐る看板を見てみると、ラッキーなことに伊丹にはあった。
早速、カウンターで注文し、受け渡し口へ移動し、そのまま待つことになったのである。
 客は少なかったので、早速取りかかっているようである。
5分ぐらい待ったであろうか? 焼きそばを受け取り、席を探し落ち着いたのであった。
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 しばらくなみえ焼きそばを眺めてみる。
他の焼きそばに比べて麺が極めて太い、うどん麺と同じくらいの太さである。
見た感じは焼うどんと云ってもいいくらいである。
そして、モヤシが多く入っているということも特徴である。
その他には豚肉が入っている、ウスターソースで味付けしている等は他の焼きそばと同じである。
 さて頂いてみよう。
他の焼きそばに比べて、ソースは濃い。
その濃い味に、意外とモヤシが良く合う。
麺はもちもちの太麺である。
そして麺の断面を見てみると、黄色い色で紛れもない中華麺である。
焼うどんではなく、焼きそばであることを認識した次第である。

そして美味しく頂いたのであった。

調べてみた。

なみえ焼きそばは今から約60年前、労働者のために安くて腹持ちが良いものを食べてもらおうと考案したものだそうである。
それならば頷ける。
働く人向けの料理ならば、当然のことながら濃い味である。
汗をかいた空腹を満たすには、焼きそばを白ご飯のおかずにして食べるのが、仕事への活力になったのであろうと思われ、納得した次第である。
 さて、伊丹駅と云えば、かつてあった荒木村重の城、有岡城の本郭の跡に設置された駅である。
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織田信長の家臣であり有岡城主であった村重は、信長に反旗を翻したということで知られる。
説得に来た黒田官兵衛を一年もの間、牢に幽閉したことになっている。
某公共放送の大河でこのように描かれていたが、真実は疑わしい。

 村重は摂津国の豪族であった。
当然のことながら、尾張からやってくる外部勢力の好きにはさせんという気概がある。
多少のいざこざはあったと思われるが、それを寄ってたかって謀反にまでに仕立て、攻撃の口実にした信長が見事だったのかも知れない。
 真偽のほどはともかく、村重一族を有岡城から追い出した信長軍の池田之助(ゆきすけ)が城主となったが、之助の転府によりその後廃城となっていたものである。
 駅の西側に有岡城の本郭の一部が史跡として残されている。
少しの広場と井戸跡が2ヶ所、そして当時の石垣、土塁などである。
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 有岡城は総構えの城であったので広大であった。
伊丹の中心地がスッポリと入ってしまうほどのものであったが、今は少しの遺構しか見られないのは残念と云えるが、ある篤志家の好意で、本郭の一部が有岡城跡として残されていることは嬉しいことである。