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 大阪市を一周するJR大阪環状線の大阪駅と西九条駅との間に野田駅がある。
 野田駅の南500mぐらいの所に大阪市の中央卸売市場本場がある。
 中の島の両側を堂島川、土佐堀川と名前を変えた大川が、中の島の西の先端で今度は安治川と木津川に分かれる。
 安治川はそのまま西へと流れ大阪湾に注ぐが、その安治川の出発点の北側に中央市場本場がある。
 大阪の中央卸売市場本場は、データでは東京都の築地市場に次いで、日本で2番目の扱い高である。
 東京築地とこの大阪本場を比べて見ると、広さは東京が23ヘクタールで大阪が18ヘクタール、年間の扱い高は東京が5650億円に対して大阪は約半分の2820億円である。
 以前に築地市場の中をうろついて、場内で昼食をしたことがあるが、今回は大阪の場内昼食処を探すという目的で市場の中に入ってみることにした。
 野田駅から東南方向にみなと通りを進む。
 暫く行くと右手に中央市場の正門が見えてくる。
 歩道が市場の内部に繋がっていそうなので、守衛所の前を通過して市場の建物を目指して西方向に進んだ。
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 時刻は昼前なので、もう市は終わっている。
 動いている車も少ない。
 安心して、市場の中を見て回ることが出来るようである。
 入って、暫く行った左手の安治川に近いところに数件の食事処が並んでいる。
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 新鮮な魚の丼も食べさせてくれるようであるが、ここで決めるのはまだ早い。
 市場の建物の中に入ってみた。
 卸や仲卸の店舗であろう。
 しかし仕事は終わって掃除中である。
 邪魔しないようにと進む。
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 途中の階段に2階に中央の食堂街という看板を見つけた。
 行っていいのだろうか? とためらうも、先ずは行って見ることである。
 ここにも数件の店が見つかった。
 定食の店があったが、街中で良く見かける場所の名前を付けた「まいどおおきに食堂」である。
 他は喫茶店、これはパス、とのことで階段を降りて更に探してみることにした。
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 車道の横に商店街がある。
 10件ほどである。
 この辺りはマイドプラザストリートと云うらしい。
 市場全体がマイドプラザで、それぞれに名前が付けられている。
 ここは飲食店だけではない。
 もうその先は市場の外に出るようである。
 この列の食堂から一店探そうと前を通ってみた。
 その中で表にメニューのチラシが置いてあった一軒の店を選び、暖簾を潜ったのであった。
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 店の名は「DK]と云う。
 テーブルだけの店である。席が半分強詰まっていた。
 注文は既に決めていた数量限定のマグロ鉄火丼である。
 本当は海鮮丼が良かったのだが、値段が倍ほどもするので、節約と云うことにしたのであった。
 10分ぐらい待った。
 出てきた出てきた。
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 味噌汁と味付け昆布の突き出しが付いている。
 輪切りの人参の上の山葵を表面全体に散りばめ、醤油タレを掛けて頂く。
 市場の中の店である。
 そう思えば新鮮に思える。
 マグロの切り落としの身は思いのほか沢山のっている。
 味噌汁も濃いめで丼に良く合う。
 忽ちの完食となったのであった。
 帰りは中門と云う裏側の門から出た。
 中門の通りを挟んで青果市場がある。
 こちらはまだトラックの出入りが激しい。
 街中の小路を駅方向に向かう。
 途中に大阪歯科大学発祥の地と云う石碑があった。
 歴史と云えばこの中央市場、かつての大阪の市は、江之子島の雑喉場(ざこば)市、天満の青物市、そして靱の塩干物市と等に別れていたが、中央卸売市場に統合されたという話を聞いたことが思い出される。