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仁徳天皇陵に治定されている堺市百舌鳥の大仙陵古墳(だいせんりょうこふん)を上から眺めてみようと、堺市役所の建物がある南海電車堺東駅で途中下車した。
市役所は駅と交差点を挟んだ斜め前にある。
 この建物の21階が一般に開放されている展望ロビーとなっていて、そこから長さ1kmにも及ぶ前方後円墳の全容を見ることができる。
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 しかし、古墳は真下にあるのではなく、距離1kmのところにあるので、こんもりとした林のようにしか見えない。
濠なども見えるのかな?と期待していたが、展望ロビーは僅か80mの高さで、それは無理な相談なのであろう。
大きな大仙古墳の右には、小振りの履中天皇陵、そして向こうに幾つかの古墳も見える。
このように百舌鳥古墳群の全容を見ることができるのは有り難いことでもある。
 古墳の向こうには、和歌山との境の和泉山脈、奈良との境の金剛葛城の山並みが見える。
ロビーの北側に移動すると、大阪市内が見える。
その中でも一際、300mのあべのハルカスが良く目立つ。
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 また神戸方向の六甲山の山並みも見える。
 景色に満足したところで、さあ昼ごはんである。
堺の名物は何であろうか?
このような場合は観光案内所で聞いて見ることが一番である。
 市役所の建物を出て道路を挟んで案内所がある。
早速聞いて見た。
「あなご料理ですね…。近くにも店がありますけど…。市役所の展望ロビーのカフェでもあなご丼が食べられますよ…」
と教えてくれた。
 再び市役所へと向かった。
丁度昼時である。
エレベーターは職員で混雑である。
人も多いし、停止階も多い。
やっとのことで21階まで戻ったのであった。
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 早速カフェのコーナーへ…。
「あなご丼!」
と注文したが、
「本日は売り切れです」
の返答。
「エェ~」
と言いながらも売り切れならば仕方がない。
どこかに食事に行くのも面倒なので、何かないかと入口のメニュー看板を見直してみた。
 そこには何やら面白そうな形をしたカレーライスの写真が載せられている。
GORYOカレーとネーミングされている。
カウンターに戻り、
「じゃあ、ごりょうカレーでお願いします」
と言ったとたん、
「今カレーフェアーをやっていて、ごりょうカレーはお休みです」
「折角来たんだから、何とかなりませんか?」
と諦めきれずに粘った。
 すると、
「ちょっと待ってください。できるかどうか調理場に聞いて見ます」
との返事、何とかなりそうな雰囲気である。
「できるそうです。テーブルでお待ち下さい」
の返事、料金を払って、テーブルで待つことになった。
 暫くして、料理が届けられた。
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 カレー皿に前方後円を形作った白ご飯が周囲のカレーソースの中に置かれている。
ソースはさしずめ濠の水の見立てであろう。
そして、ブロッコリーや青海苔は古墳の木々を表しているようである。
 早速、頂いてみた。
味は普通のカレーライスである。
量も手頃である。このGORYOカレー、特段に取り立てて言うほどの料理ではないが、ここだけでしか食べられない記念の食べ物として、それなりに意味のあるものなのである。

 食べ終わって暫く休憩し、もう一度21階から外の景色を見て、堺市役所と堺東駅を後にしたミニ旅であった。