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 町田市に出かける機会があった。
 町田市と云えば、東京都から神奈川県に張り出した突起のような街である。
なぜそうなのか? それには数奇な経緯がある。
 町田は元々は武蔵国であった。
江戸時代は幕府や旗本の直轄地として運用されていた。
 明治になった時には一旦武蔵知県事の管轄とされたが、直ぐに神奈川県に編入された。
その後、どういう遣り取りがあったのかは分からないが、明治25年には町田を含む多摩地域が東京都に移管された。
このような経緯である。
 実際にJR横浜線の電車に乗り八王子へ向かうと、電車は横浜市内を抜け、町田駅に停まり、その先は神奈川の相模原に停まる。
地形的には全くの神奈川県と思ってしまうのも無理はない。
 町田市の現在は人口40万人以上にも及ぶ大都市である。
市庁舎を最近新調したと聞いていた。
ここの市役所の職員食堂は旧市庁の時から一般にも開放されていることで知られている。
早速市役所見学と昼食に行ってみよう。
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 駅から歩いて10分ぐらいである。
10階建てぐらいの、一部ガラス張りの建物が見えてくる。
現代風の建物である。
玄関から入ってみる。入った所にコンビニもある。
中のロビーは3階まで吹き抜けで、ものすごく広い。
そしてフロアの隅々まで見渡せる。
ワンストップロビーと名付けられている。
開放的な庁舎である。
 エスカレーターで2階に上がったところに職員食堂がある。
食堂入口まで行って、メニューを眺めてみる。
定食・ランチと麺類ぐらいの数種類である。
早速入って麺類の所へ行き、蕎麦を注文して暫く待つ。
横に並べられているおにぎりを一皿取って、出てきた蕎麦もトレーに載せ、レジに向かう。
お金を払って、好みのテーブルを探して座った。
 この辺りの仕組みは学食と同じである。
値段も学食並みで、一般の食堂よりも遥かに安い。
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 味はどうか?
蕎麦は、関東の味である。
かなり濃い醤油味、濃いのは嫌いではないが、それでも濃い。
総じて値段相応かな? と、そんな感じであった。
 しかしこの食堂、窓に沿うように3列ぐらいでテーブルが配置されている。
明るい食堂で気持ちの良いものである。
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 町田に来たついでに2~3の観光をしてみよう。
以前には新設された国際版画美術館を見に行ったことがあるので、今度は神社仏閣である。
 市役所前からバスに乗って、先ず「菅原神社」に向かう。
バスを降りて、女坂を登る。
真新しい本殿である。
勿論、菅原道真を祀る神社である。
室町時代に道真公の像をこの地に祀ったと云うことだそうである。
この場所は鎌倉街道の沿線にあたり、鎌倉時代末期、足利尊氏と北条氏との激しい戦いが行われた「井出の沢古戦場」もある。
 調べてみると、町田三天神と云われる3社があるそうである。
この菅原神社とあと2つ。
早速行ってみることにする。
 バスで駅に戻り、次は駅から近い「町田天満宮」である。
駅から歩道橋を歩き、最後はJRの線路を越える参宮橋を渡り境内へと入って行く。
参道には数匹の牛の像もある。
お参りして、上手い具合に神職もおられたので、ご朱印を頂くことができた。
この神社は天正年間(戦国時代)の創建である。
 もう一つに向かう。
駅からまたバスに乗る。
成瀬台行のバスである。
神社前と云うバス停で降りる。
天神さんの森は見えているが、入口が分からない。
森を目指して登って歩く。
残念ながら天神さんの裏側に来てしまった。
入口は無く、反対側を探るがそれも無し。
結局下まで降りなければならなかった。
 仕切り直して、参道から参拝に向かうことにする。
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 途中紫陽花も咲き始めている。
階段を登り参拝をして、これで3社完拝である。
この神社、南大谷天神社と云う。
江戸初期の創建である。
当時の村長が京都の北の天満宮を勧請したとのことである。
 バスで町田駅に戻り、ミニ旅を終了したのであった。