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 淡路島一帯に淡路特産の手延べ麺を使ったご当地創作グルメ「淡路島ぬーどる」がある。
洲本市の商工会議所の「御食国(みけつくに)プロジェクト実行委員会」が推進しているもので、料理はカルボナーラやカレーヌードル、焼きそば、担々麺、うどん、などの料理を提供するものである。
 この「淡路島ぬーどる」の必須事項は、①南あわじ市福良の製麺業者有志で開発したオリジナル麺を使うこと ②淡路島特産の玉葱を使うこと この2つである。
この企画は5年前に開始され、現在は39店舗が賛同加盟して、それぞれ店の特徴を生かした料理を提供している。
 その淡路島ぬーどるの一つぐらいは食べてみようと洲本で高速インターを下りたのであった。
洲本と云えばかつては瀬戸内海に覇を唱えた淡路安宅水軍の根拠地で、のちに仙石氏や脇坂氏が支配した洲本城跡があるが、後回しにしてまずは腹ごしらえである。
予め見当をつけていた店「TI」へ向かう。
 「TI」はインターから国道28号を洲本市方面に進み、洲本川に沿った塩谷という所で左の住宅街に入った所にある。
周辺の道は狭いが、併設している「TI」旅館の案内係員の方が表で交通整理をしていて、少し離れた駐車場まで無事案内してくれ、事なきを得たのであった。
 店は重厚な構えの日本料理店である。
気後れしながら店に入り、おずおずと2階のテーブル設置の座敷に案内されたのであった。
 昼食メニューには間違いなく「淡路島ぬーどる」があった。
注文して待つこと10分ぐらいか、見かけは天ぷらうどん状の料理が出て来たのであった。
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 トッピングには、鯛、玉葱、淡路海苔の天麩羅、そして鳴門ワカメ、青葱が乗っている。
 鯛の天麩羅は初めてである。
あの徳川家康が鷹狩の後、鯛の天麩羅を食べて三日後に亡くなったと云う逸話を思い出す。
当時は天ぷらと云っても、今のようなものでは無かったのであろう。
恐らく胃腸病を患っていた家康には胃への負担が大きかったのであろうと思われる。
 麺は断面が円形で細め、素麺を太くしたような見かけである。
そして出汁は淡口醤油ベースであるが、透き通っている。
 早速頂いてみよう。
天麩羅は揚げたてである。
鯛、玉葱の味も申し分ない。
 出汁は醤油味の中にも鰹や昆布の味が覗く、ほんのりと甘味がある。
流石に料亭の作品であると感じた次第である。
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 さて、メインとなっている淡路島ヌードルの共通麺の味わいはどうであろうか?
表面がツルツルした仕上がりの細麺である。
そしてパスタのような腰のある麺である。
なるほどなるほど…、この麺でカルボナーラや色んな料理を作るというのであるから、麺の工夫のしどころなのであろうか…。
何のかんのと言いながら、完食となったのであった。
 淡路島ぬーどるに満足したところで、次は洲本城跡を訪れてみよう。
洲本城は街中に連続した123mの三熊山山頂にある。
市街地からは頂上に建てられた天守が見えている。
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 車道が整備されていて、城郭の直下まで行くことができる。
 駐車場に到着して大手門跡から城内に入る。
当時の石垣がそのままの形で残されていて見事である。
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 本丸への石段を登ると、本丸広場の向こうに天守閣が見える。
天守はコンクリートの現在建築である。
少しの違和感は否めない。
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 本丸を中心に、西ノ丸、東ノ丸、そしてその先に広い武者溜り跡がある。
武者溜りの手前には、無人化された旧洲本測候所の建物もある。
また少し下がって藩主庭園「日月(じつげつ)の池」もある。
 広い城内を隈なく散策して、その立派は城郭造りに感銘を受け、そして洲本の市街地とかつての洲本港を見下ろし、洲本城を後にしたのであった。
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