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 新幹線に乗った時には、どの位置の座席を確保するかが、その電車旅の良し悪しを決めることがある。
座席には大きく分けて窓側と通路側がある。
通常は席を立つのに便利な通路側を選ぶのであるが、パソコンや携帯を充電したい時は窓側を選んで座ることになる。

 窓側、通路側、それぞれに一長一短がある。

先日、上り新幹線に乗った時のこと、車内は空いていたので、窓側E席に座った。
次の駅で女性が隣に座った。
それはそれで良いのだが、キャリーバッグを前の席との間の足元に置いて、おまけにテーブルを出し、その上に何やかやと並べる始末。
そして化粧をし始めた。

 その女性、暫く鏡とにらめっこをしていたかと思うと、飽きたのか居眠りを始めた。
そろそろタバコを吸いに行こうかと思ってたところだったが、ここを脱出するのは難しい。
まあいいか、と思って目が覚めるのを待つことにしたが、なかなか起きない。
起こすのもかわいそうなので、待った。
 しかし、起きない。
そのまま終点まで来てしまったのであった。
 この窓側の席、このように動くに動けない拉致状況になることがあるので、注意を要する。
ある日の下りの新幹線。
出発を待っている列車の通路席に座った。
タバコ・トイレ・電話には楽に動ける自由な席である。
 通路側は人や車内販売の往来がある。
肩から吊るしたり腕に掛けりしたカバンが身体に当たることがある。
腕ならばまだオーケーだが、顔に当たることもあるので、これも注意である。
 これだけで済めば、一過性のことなので、辛抱はできる。
 通路側の席と云うのは、車両の真ん中なので、集音器のように周りの話し声が良く聞こえて来る。
後ろの席からのは当然であるが、通路向かいの席からもである。
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 すぐ後ろの席には、出張帰りのサラリーマン風の2人連れ。
恐らく同僚であろう?
しばらくはたわいもないことを喋り合っていたかと思うと、そのままオヤスミに…。
これは助かる。
 これが上司と部下だったりすると地獄である。
上司の独り舞台が展開される。
それも飲みながらとなるから、際限がない。
 今日の仕事の反省会はまあ許そう。
そのうちに部下への説教調、更に上の上司や会社への悪口、それが繰り返し回る。
部下の方もやってられないと思うが、部下は部下で仕事の一環と割り切ればよい。
しかし関係ない乗客は堪らない。
 通路の反対側の状況である。
真横は女性の2人連れ。
弁当を食べながら、世間話を延々としているが、横を向いて喋らないので、まあ心地よい騒音ぐらいである。
 その後ろの席。
よくしゃべるおばちゃんが窓側に座って喋りっぱなし。
少し横を向いて喋るので、まともである。
但し言葉が名古屋弁であるので、中身は良くは分からない。
中規模の騒音で済む。
 曲者は女性2人連れのその前の席である。
女性4人のグループ、座席を回転させたグループである。
その中で良く喋る女性が、通路側で反対向きである。
顔を合わしたりするのは仕方がないが、話声がモロに到達するのは頂けない。
小生のひとつ前の席はもっと煩かっただろうと思われるが…。
 しかし、4人も集まればそのうちの1人は常識人がいる。
グループに時々自制作用が働く。
静かな時間もあるが、また喋り始めると一層声が大きくなったような感じもする。
 女性3人は姦しいと云われる。
自制心が働かず、行きっぱなしになるから、そうなのだろう。
新幹線の場合は横並びの3人の席に座る。
端と端では声が届きにくいので、自然と声が大きくなる。
その前の席は最悪であるが、余所の地方の方言で分からない言葉であることを望む。
 電車内、人の振り見て我が振り直せと行きたいものである。