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神戸には生田神社、湊川神社、長田神社という三大神社がある。
それぞれ由緒ある神社である。
神戸の三宮にある生田神社や神戸駅近くにある湊川神社には近くを通ればお参りすることもあるが、長田神社には行ったことが無かったので、遠回りであるが行ってみた。

 長田神社へ行くには、地下鉄の長田駅が便利である。
駅を降りて地上へ上がると、大きな鳥居がある。
普通の鳥居とは少し違っているが、鳥居には大きな字で「長田神社」と書かれているので分かり易い。
 参道は自動車道になっている。
そしてその車道の両側はアーケードの商店街となっている。
人出もまあまあで、賑わっている商店街である。
 参道を北へと進む。
途中、新湊川の朱塗りの橋を渡る。
商店街を辿り、そろそろ切れるかなと云うあたりで参道が斜め横へと逸れる。
この参道に入って行くと神社の境内に到着した。
 長田神社はかなり古い神社で、日本書紀によれば、201年神功皇后が三韓征服した後、新羅より難波に帰還する途中、武庫の水門で船が進まなくなったので占ったところ、事代主神(ことしろぬしのかみ)より「吾を長田國に祀れ」と神託を受け創祀されたという。
皇室守護や国家鎮護の神とされ、皇室の崇敬も篤い全国でも有数の名社とのことである。
 主祭神である事代主神は、一般に「恵比寿神」「福の神」ともされ、商工業・産業の守護神、日々の生活の開運招福・厄除解除の神として崇敬されている。
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 先の阪神淡路大震災では本殿を始めかなりの打撃を受けたものの、地元の人の力で見事復興を成し遂げている。
また当時、参集殿は付近の被災民の方々の避難所ともなっていた。
 本殿にお参りしご朱印を頂き、神社を後にした。
今度は正面から退出した。
苅藻川に架かる朱塗りの橋を渡り歩く。
そのまま歩くと駅に戻れなくなってしまうので、元の参道方向へと修正する。
再び、新湊川を渡るが、川の片側はジョギングコースとなっている。
対岸は村野工業高校で、グラウンドでは高校野球の地方大会が近づいているのであろう、練習に力が入っていた。
 学校の脇に、源平合戦勇士の碑がある。
「平 知章」の碑である。
また学校を180度回り込んだ丁度反対側に、平家の家臣であった監物太郎の碑もある。
 長田の町内を一周して、駅に戻ったのであった。
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 長田まで来たついでに、話に聞く「ぼっかけ」を食べに行って見ようと、地下鉄で新長田の駅に向かった。
歩いても良いのだが、炎天下はキツイのでやむを得ない。
新長田に着いた。
まずは鉄人28号である。
以前、そばめしの時にも見たが、今回も一応は眺めて行こう。
今日も変わらず雄姿を見せていた。
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 その鉄人前の商店街を通り抜け、高速道路の下を渡って少し西へ行ったところに「NK」という麺主体の食事処がある。
のれんを潜って入ってみた。
狭い通路を通って、奥に7つ8つのテーブル席がある。
 その一つに座り、注文は「ぼっかけ蕎麦」とした。
よく知らなかったが「ぼっかけ」とは、牛スジと蒟蒻を煮込んだいわゆるスジコンのことである。
ここ長田では細かく刻んだものは「そばめし」の具にも使われる名物である。
 待つこと10分ぐらいか?
ぼっかけ蕎麦と付け合せにトマトのスライスが出てきた。
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 蕎麦のトッピングはスジ肉のぼっかけの他に、長く刻んだ葱が乗っている。
トレイには山椒の振り掛け瓶も用意されている。
 山椒を蕎麦に少々振り掛けて食べてみた。
蕎麦は信州蕎麦である。
色は白く、抵抗感は少ない。ぼっかけは甘辛く、長時間煮られているのであろう。
柔らかく脂分も無く、牛の嫌な臭いも取れていて、丁度味わい頃である。
蕎麦麺とマッチしていて、美味しく頂いたのであった。

 このぼっかけ、スジコンであるが、場所は違うが西に行ったところにある高砂の「にくてん」も、これをお好み焼きのトッピングにしていたことを思い出した。
 兵庫の南岸はこのスジコンの食文化であろうと思った次第である。