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 大阪市の北東部、北河内への玄関口に京橋駅がある。
大抵の場合、この京橋駅を乗り換え駅として利用している。
 例え乗り換え駅であったとしても、乗り換えるために移動するコースを外れ、それ以外の何かを求めるのは、立派な途中下車と云える。
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 この駅は、もう何十年も前から利用している。
勤務する場所により通勤ルートは変わるので、ずうっとではないが、会社へ就職した頃と、今とは確実にこの駅を利用している。
 私鉄とJRの乗り換えでは確実に改札の外へ出るが、JR同士の乗り換えでも外に出ることがある。
それは買い物であったり、食事であったりする。
 買い物はともかく食事と云えるかどうか疑問だが、良く行く立ち食いうどんの店がある。
「Nうどん」という駅すぐの商店街入り口にある店である。
 「なあ~んだ。立ち食いか…」と思われるだろうが、この店が意外と美味いのである。
多分に贔屓があろうかとは思うが、他の店と比べても美味いと思っている。
 うどんの前に京橋の駅名について触れておこう。
 京橋駅はJR大阪環状線外回りで大阪駅から3つ目の駅である。
また、京阪電車という私鉄が京都に向けて走ってもいる。
更に最近では、大阪市の地下鉄も通っている。
 実はJR、京阪、地下鉄の駅は全て京橋と云うが、この辺りの地名は京橋ではない。
都島区東野田町という。
もっと云うと、京橋と云う地名はどこを探しても、この辺りにはない。
 じゃあなぜ京橋と名付けられたのか?
 京橋を称する名前は一つだけある。
それは、大坂城の京橋口、大坂城から京都へ向かう出入り口である。
ここに駅ができた時、この名前から京橋と名付けられたと云う。
 もっと云うと、京阪電車の始発駅がここだったので、京へ行く電車と云うことから、大坂城にならい、京橋と名付けられたものと思われる。
 さて、京橋の立ち食いうどんである。
立ち食いうどんと大阪では直接的に云うが、全国的には駅そばとか云う。
泥臭いところは許していただきたい。
 学校を卒業してある会社に入社して、その新入社員実習として、2ヵ月の販売店実習が行われた。
実習先はこの京橋駅から歩いて15分程度のTという職域販売の店であった。
 朝が早いので、社員寮で朝ご飯を食べる時間がなく、そして、40年以上も前のことだから、当然のことながら今のコンビニや吉牛も何もなかった。
 京橋駅で降りて実習先までの間で何か見つけよう…、とした。
駅を降りて最初にあるのがこの立ち食いうどんであった。
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 きつねうどんを頼んでみた。
立ち食いのカウンターはもう一杯。
店の壁にそって、うどん玉を運ぶ「せいろ」と云うんだろうか?積んである。
それをテーブルにして食べることになる。
 とにかく朝のことで腹が減っている。
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 まず一味唐辛子を振りかける。
出汁を一口、空きっ腹に刺激ありで、堪える。
具のアゲは少し甘めに味付けがしてある。
出汁にその甘みを移すように押さえる。
出汁はほんのりと甘みを増す。
そしてうどんの小麦の香りとその味、大変美味いものであった。
 大阪のうどんは麺に腰があるとか無いとかを議論する範疇のものではない。
どちらか云うと小麦の香りや味が出ているかが重要な要素である。
もちろん出汁の良し悪しも重要である。
 大阪のうどんは小麦の香りと味を楽しむものである。
 ここにはずっと合格点をあげている。
他の大阪うどんの店に比べても美味い。
そして安い。
大阪でも、手打ちうどんを出しているところもあるが、あまり行かない。
 小麦はあまり捏ねまわさずに、さっと麺にすると美味い。
それが大阪のうどんと思っている。
 手打ちはやはり讃岐に代表される腰のあるうどんが美味いと思う。
 しかし、この店も40年間、同じ味を継続しているかと云えば、多分そうではないと思われる。
時の流れとともに嗜好も変化していて、それに上手くついて行っていると…。
 その証拠に、いつ行っても5~6人のカウンターは一杯で変わらない。
そして最近は外に置いてくれているテーブルと椅子で食べることもできるようになっている。
 呑みのあとでも、なかなかいける。
 今日も昼ごろに途中下車して、きつねうどんを頂いてきたところである。
何度食べても、飽きない味であった。

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