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 野球と云えば関西では阪神タイガース。

今回は、商店街ぐるみで熱狂的な応援を繰り広げている商店街がある尼崎駅で途中下車した。
「尼崎」略して「アマ」、これがこの辺りでは普通の言い方である。
「尼崎」と言う人は直ぐによそ者であるとわかってしまう。

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 尼の商店街は黄色い色が多い。
タイガースカラーである。
その分明るく感じて、お客さんも和やか、買い易い雰囲気である。
 もともとこの尼の商店街は安いし、駅前にあるので行きやすいのであろう…。
平日であったが、梅田地下街とまでは行かないが、ある程度の人出であった。
 商店街での買い物が目的ではない。
昼食である。
尼の「あんかけチャンポン」に興味があり下車したのである。
あんかけチャンポンは尼の商工会議所がその普及に力を入れている。
いわゆるご当地のB級グルメと云うやつかである。
 何処で食べさせてくれるのか、まったくわからないまま下車した。
まずは教えてもらうことにした。
尼には駅前の通りを挟んで観光案内所がある。
市役所の事業であるが、JTBが請け負っている。
駅前のJTBの営業所の中にそのコーナーはある。
 以前も一回お邪魔している。
その時は震災で復興完了した築地本通りとかを教えてもらった。
その時はとても親切に教えてくれた。
今回はどうだろう…?
恐る恐る聞いて見た。
「ちゃんぽんは何処で食べられますか?」
 するとチャンポンのパンフレットと地図を出して説明してくれた。
パンフレットはA3厚手の両面印刷の4つ折り、立派なものができている。
場所の他に値段もしっかりと聞かなくてはいけない。
 結局同じ距離ぐらいのところに4店あるそうである。
しかし値段はまちまち…。
高いのは1000円、安いのは580円。
それぞれの場所をマーキングしてもらって、いざスタートである。
 とりあえず第一目標は当然のことであるが最安値である。
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 余談であるが、その案内所でもう一つのことを教えてもらった。
あまり興味が無い範疇のことであった。
この辺りは、F1レーサー「小林可夢偉(かむい)」の出身地と云うことであった。
可夢偉の良く行く店とかの説明地図ももらった。
 なんとこの地図が分かりやすいのである。
その地図に、チャンポンポイントを書き込んでもらった。
可夢偉の良く行く店の中にチャンポンもあったが、可夢偉は可夢偉である。
当初の目標店に向かうことにした。
 10分ほど歩いて、中華料理「TU」と云う店に着いた。
行列は無い。込んでなければよいが…、と願いながらドアを開けた。
何とか一人は大丈夫みたいである。
 席に座って、注文伺いを待ったのである。
 店のメニューには、尼崎チャンポンと書いている。
「尼崎チャンポン一つ」と頼んだ。
すると「尼チャン一丁」の声。
「なるほど…。尼もチャンも略すのだ…」
と思いながら、出てくるのを待った。
 丁度昼時であったので、日替わりランチ、尼チャン半々ぐらいの比率で注文している。
尼チャンも人気なんだと思った次第である。
そのうち、店に入れない人もできてきたようだ。行列である。
行列店に入ったと云うことで、少し満足したのであった。
 7~8分待ったと思う。
待つのは長く感じる。やっと出てきた。
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 一言でいえば、中華料理屋の醤油五目ラーメンのスープを餡にしたものである。
早速頂いてみた。
餡であるので、熱さは立派である。少しずつ食べることにした。
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 味はどうか? 見たままである。
五目ラーメン醤油味、そのままである。
丁度小生の自宅近所にある中華料理屋さんのラーメンの味と同じであった。
辛めであまり好きな味ではなかったのであるが、最後まで頂いた。
 麺は細麺で、長崎チャンポンの太麺とは違っている。
スープも長崎のは豚骨であるので、それも違う。
あんかけにするなら、豚骨では無理なんだろうな…?と思ったのであった。
 この尼チャンの歴史?を見てみよう。
尼の商工会議所の言葉を借りると…、
昭和の時代、高度成長期に集団就職と共に九州からチャンポンも伝わった。
工場の近くにはチャンポン屋さんが出来たそうである。
尼のチャンポンの店では、工場で働く人たちの食欲を満たすために、「あん」をかけて出すようになったと云う。
 それが好まれ、現在に繋がっているのがこのあんかけチャンポン、尼チャンだそうである。
 なるほどなるほど、そういうことだったのか…。
納得である。
味も辛めだな…、と思っていたが、働く人の昼飯ならばそうであろう…。
白ご飯と一緒に食べたに違いない…。
 尼チャン、納得の一杯であった。