そよ風の中に 蝶が舞う

あっちこちと 風に流され

花から花へは 儘ならず

それでも蝶は 楽しそう

 

朝日の中に 蝶が舞う

花を起こして 一つずつ

朝露濡れて 重くなる

それでも蝶は 嬉しそう

 

舞いに疲れた 蝶が舞う

僕の肩に 止まっていいよ

羽を休めて 息ついて

また楽しく 遊んでごらん

 

 

壁の向こう

壁は、乗り越えるものでは無い

地下道でくぐり抜けるものでも無い

越えても潜っても、壁は無くならない

時には壁の内に、また連れ戻される

 

壁は、堅い拳で、粉々に壊したい

もう、壁の内には戻れはしないが、

素晴らしいことが、広がっていて欲しい

 

壁の向こうには一体、何があるのか

登り行く階段か、下りに至る坂道か

それとも、広大な原野か海なのか

壁の精の気分次第で、決められる

 

それも分からずに、無心に打ち破る

壁の向こうから、明るさが射した時

光とともに、微笑む君が見えて欲しい

 

 

遅い春

遅い春の訪れの 山あいの貧家に

名残の寒風が ピューピューと

開きかけた花が 今にも飛ばされそうな・・

春になっても 何もいいことは

ありそうには 無いよね

 

去年の夏ある日 君が来たこの家

夜が更けるのも 明日のことも忘れ

もう語り疲れて 眠かったろうが

横になろうよとも 言い出し難く

ちゅんちゅんと 明けて来たよね

 

まだ寒い春の日 今も君が来てくれた

嬉しさ隠して 格好ばかり付けて

この後はどこに行くの と聞いている

ここにずっと居ろよ と言ったら

「うん」と頷いて くれただろうに

 

 

幸せ、って

幸せは来るか?

それは、ただ待ってるだけでは、来ない

大きな幸せなど、来る筈がない

しかし、身近な幸せには、浸れる

その幸せを、沢山と、続けるがいい

幸せレベルが、上がって行く、筈だ

 

引っ張り上げてくれる友が、いたらいい

後押ししてくれる友が、いたらいい

その友を、引っ張り上げてやれば良い

 

その友と、

同じ幸せ、違う幸せ、どちらでもいい

しっかり掴んで、最高の笑顔に、輝く筈だ・・

 

友も、最高の笑顔に、なるはずだ・・

 

 海の君

風と雲、君と僕のようだ

風が吹けば、雲が流れる

君が気になる、僕のように

 

風が上向けば、雲は沢山できる

君が元気でいれば、僕が嬉しいように

風が下向けば、雲は消える

君がしょげれば、僕は悲しいように

 

空と海、境目はあるのか

ぼんやりとした、水平線が見える

お陽様が、水平線に近づいた時、

青は赤へと、輝き変える

光輝く、君のようだ

そして、その境に消えた時、

別れを寂しむ、僕のようだ

 

皆で騒いだ、海辺のキャンプ

遊び疲れて、夕餉のひととき

皆が嫌がる、お焦げのごはん

君だけが、誇らしそうに、

「美味しいわ」って、

言ってくれたんだよね

それは、心繋がる瞬間、だった