「ゑ」の駅には大阪地下鉄の「恵美須町駅」を選んだ。
旧字に該当するを探すのは苦労が伴うが、幸いに「ゑ」は「恵」が当て嵌まるので、他にも東京の恵比寿、北海道の恵庭、岐阜の恵那などがある。

恵美須町駅は堺筋線の駅である。
この名の通り、近くには大阪の「えべっさん」、今宮戎神社が鎮座している。

恵美須町駅で下車して、南の出口から地上に出るとそこは国道25号線の交差点「恵比須」である。
先ずはこの道を西に行く。
「戎神社前」の交差点から右手斜めの路地に入る。
直ぐに神社の玉垣が見えて来る。

恵比須神社である。
広い神社ではないが、綺麗に整備されているようである。

南の鳥居から境内に入る。
本殿にお参りし、ご朱印を頂いた。
神社はまだ静かであるが、年が明けると「えべっさん」の季節がやってくる。
その時は、大いなる混雑があるのであろう。

神社の前を更に西に行ってみる。
電車の高架駅がある。
南海電車の「今宮戎駅」である。
この場所からもう一度、先程の「恵比須町駅」に戻る。

今度は南東方向へ行ってみよう。

通天閣が良く見えているが、その方向である。
通りは「通天閣本通」という。
通天閣が正面に良く見えているので、自ずと早足になってしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

通天閣下の広場には、将棋の坂田三吉を称えた「王将」の碑がある。
有名な串かつ屋「DRM」には20人程の行列が出来ている。

南方向「新世界」の通りを歩く。
串かつの店が俄然多くなる。
少し行くとフグの提灯で知られる「DBRY」の新世界本店がある。
そこから今度は東へ進む。

串カツ店やパチンコの店を過ぎ、鉄柵門の大きな施設に到着する。
「天王寺動物園」である。
休園日で門が閉まっている。
動物園のフェンスに沿って今度は北へと行く。
先程の国道25号線まで来ると動物園は尽きる。

国道を東へ行ってみる。
左手に「合邦辻閻魔堂」と云うのがある。脳の守りとのことである。
右手には、できたばかりの地上高300mのあべのハルカスが木立の上に聳えている。
松屋町通りと交差して、また駅に戻る方向、西に歩く。

今度は北、日本橋電気屋街の方に行ってみよう。
この電気屋街には、若いころ何度となく通ったものである。
最初の頃は地下鉄が無かったので、難波から歩いて通ったものであるが、途中から地下鉄が開通したので、この恵美須町駅へきて、楽になったのであるが…。

当時の店はまだあるのだろうか?
アマチュア無線の「NNムセン」、オーディオの「KG無線」、ジャンクの「MD工業」、それに「五階百貨店」である。
それを探してみよう。

堺筋の東側の舗道を歩く。
先ずは「MD工業」があった。
マニアックな店であるが、店頭の飾りつけはもっと派手になっていた。
商品も他とは違う、それなりのものが置いてあるのは以前と同じであった。

次は「KG無線」、店は昔と全く変わらない雰囲気である。
我が家のオーディオ装置は全てこの店で買ったものである。
懐かしく店内を覗いてみたのであった。

その次は「NNムセン」、この店も健在である。
店の奥に白髪の大将らしきがいた。
当時の、若かった大将だろうか?
聞いてみたかったが、次へと進む。

もう少し北へ行くと「高島屋東別館」がある。
レトロであるが端整なビルで、元は松坂屋であったが、高島屋が買収したものである。

ここでUターン、通りの反対側に移る。
更に裏通りに入り、五階百貨店を探す。

この辺りは流石である。
ゲームやアニメや色んな看板が集う。
マニアックな若者の通りである。
メイド喫茶もあるのであろうか、それなりの服装の女の子が通路に佇んでいる。
かつてには無かった風景である。

更に歩く。「五階」の看板が見つかった。
沢山の店がある。
しかし当時の様に電気製品の中古を並べている店は無い。
道具販売の店が多数であった。

日本橋の電気屋街を一周した。
かつての様に恵美須町駅の北の階段から、改札へ下りて行ったのであった。

〔ゑノ駅 完〕