大阪府の枚方市は、府北東部にあり京都府と境界を接する街である。
古代から開けたところであり、小規模ながら古墳遺跡なども存在する。
継体天皇の時には北部の樟葉に樟葉宮があり、日本の首都であったこともある。

枚方市は正三角形のような市域を持っている。
左辺は淀川に沿っていて、かつては淀川水運と京街道が通っていた。
東海道57次の枚方宿もあったところである。
現在も国道1号線と京阪電車が通っていて、相変わらずの交通の要路と市の中心部である。

右辺は京都府八幡市、京田辺市と接している丘陵地帯である。
八幡市とは、樟葉の丘陵地や筒井順慶の洞ヶ峠で接している。
京田辺とは家康伊賀越えの穂谷の丘陵地で接していて、それぞれ京都や三重、奈良への出入り口となっている。

底辺部は枚方丘陵を介して寝屋川市の香里園や成田山と、東側は天の川流域で交野市と接し、北河内の文化圏として繋がっている。

枚方市は大阪府の大都市の1つである。
人口は40万人強、大阪府では大阪市、堺市、東大阪市についで第4位となっている。

京都と大阪を結んでいる京阪電車の支線に「交野線」がある。
枚方市の中心、枚方市駅から底辺方向の交野市に向けて東南に横断する線区である。
この路線、七夕伝説で知られる天の川に沿って走っている。
電車の線路が敷設されている右岸(北東側)は線路脇から直ぐ台地になっている。
交野台地と云う。

枚方市内の駅は枚方市駅を含めて4駅、その先は交野市の駅である。
今回はこの交野線の沿線を訪ね、地域限定で枚方市のウオッチングをしてみることにする。

まず一番遠くの駅「村野駅」で下車する。
駅の山手は道路を挟んで住宅街である。
直ぐに登りの道となっている。

下手な道を選んで登って行って行き止まりにでもなった時には、その労力は大いに無駄である。
慎重に道を選んで歩くことにする。

住宅街を歩いて行く。
子供が遊んでいる公園もある。
20分ぐらい歩くと、煉瓦色の大きな建物が幾つか見えてくる。
火星人のようなタンクも見られる。
村野浄水場である。
現在は大阪広域水道企業団という市町村が出資している一部事務組合が運営している。
淀川畔にある磯島取水場から水を入れ、ここまで持ってきて、浄化しているのである。

浄水場の周りは桜ヶ丘と云う綺麗な名前の住所地である。
幼稚園、小学校、中学校が並んでいる。

そしてもう一つ、大きな学校がある。
東海大学附属の仰星中・高校である。
校舎や体育館、それにグラウンドも普通の学校よりはかなり大きい。

訪ねた時はクラブ活動の時間帯であったのであろう、多くの生徒がグラウンドに出ている。
所狭しと動いている。
スポーツが盛んな学校である。
中でもラグビー部は有名である。
花園で全国優勝2回、準優勝2回の輝かしい実績を持っている。

ネットの外から練習を暫く見てみた。
なるほどなるほど、ラグビーだけでなく、みんな気合が入っている。

あまり見ていて怪しまれてもいけないので、歩き出す。
周辺を歩きながら戻ることにする。

一旦坂を下りてまた上る。
そこには新しそうな公園ができている。
「印田町ふれあい公園」という。
近所の子供たちが沢山遊んでいた。
小さい子は母親同伴である。

公園から少し離れたところの丘続きに神社がある。
村野神社という。
創建は鎌倉時代と云われる。
同じ枚方の牧野にある片埜神社から、スサノオノ命、クシナダヒメノ命の神を勧請したそうである。
その経緯が面白い。
片埜神社内部の神職間の諍いで、喧嘩別れだそうである。

神社は鬱蒼とした森の中にあり、少し怖いような場所に鎮座している。
今度は神社の表の長い階段を降りて、来た時の道に戻ったのであった。
そのまま村野駅へと戻ることにする。

電車を待って、次の駅に向かう。
今度は「星ヶ丘」である。

七夕伝説には星ヶ丘と云う駅名・地名が似つかわしい。
駅を降りて、道路を挟んで急坂を登って行く。
登り詰めると、平坦な道路となっている。

左手にこんもりした中にレトロな雰囲気の所がある。
近づいて見ると「星ヶ丘洋裁学校」という表札があった。
恐らく個人の別荘か何かを活用しているのであろう。

元の道へ戻って先へ行く。
スーパーがある。
特養もある。
更に行くと、星ヶ丘厚生年金病院という大病院もある。
しかし、七夕に関わるようなものは何も見つけられない。
諦めて、戻ることにした。

次は「宮之阪」である。
駅で降りて、丘の上を目指す。
ここも新しい公園が整備中である。
人が入れるようなので登って行く。
頂上の公園まで行くと、向こうの丘に啓光学園が見えている。

先ほどラグビーの強い東海大仰星を見たので、もっと強い啓光学園を見たくなった。
啓光学園は学校法人常翔学園グループに併合されたので、正式には常翔啓光学園高校と云う。

ちょっとややこしいが常翔学園高校と云うのもある。
元の名は大阪工大高校である。
ラグビーの全国優勝4回、準優勝2回の大阪市旭区にある学校である。

常翔啓光学園の方は、ラグビーがすごく強い。
記虎監督率いるラグビー部は、4連覇を含む全国優勝7回の超名門である。
準優勝も3回である。

一旦丘を降りて、道に迷いながら啓光学園の方に上がって行く。
ここもかなりな急坂である。
この辺りの住所地は枚方市禁野(きんや)という。

禁野とは字のごとく、この辺りは古代皇族や貴族の狩場であったところである。

余談であるが、天の川に沿って交野市内に入って行くと、私部(きさべ)とか私市(きさいち)と云う住所地がある。
これは妃の持ち分であった所で、米作をしたり畑作をしたりしたところである。
即ち都から見れば、この辺りは郊外の山野だったところである。

やっとの思いで丘の頂上に登った。
啓光学園の正門に出た。
正門からは通路だけしか見えない。
校舎は奥にあるのであろう。
もちろんグラウンドも見えない。

正門の横に幼稚園があるが、それを過ぎてフェンス沿いに歩いて見る。
しかし残念ながらフェンスには目隠し目的か、遮音目的かは分からないがパネルが取り付けられていて、中は一切見えない。
こういう学校も珍しい。

しかし、今日校門までの訪問となった2校、なぜラグビーが強いのであろうか?
この枚方の2校以外に、先に述べた常翔学園と、少し南の大東市にある大阪桐蔭も強い。
この大阪北部地区になぜ4校も強い学校が固まっているのであろうか?
関係者でないので良くは分からないが、何かの理由があるのであろうと思われる。

後程、関係者に聞いてみよう。

啓光学園を後に、今度は近くのバス道へと緩やかな坂を降りる。
枚方市民病院がある。
隣にURの高層団地があって、その隣が小松製作所である。
そしてその隣が少し北の方の同じ市内から引っ越してきた関西外国語大学である。
新しいので大変綺麗である。

枚方にはこの関西外国語大学を始め、大阪歯科大、大阪国際大、摂南大、国会議事堂の形をした大阪工大、そして阪大の研究施設と関西医大の附属病院入れると7つの大学がある。

京都・大阪の中間に位置する枚方(ひらかた)市、今後どのように栄えていくのであろうか?
楽しみなウオッチングであった。

〔完〕